
「3つの愛が、10人を狂わせる。」
韓国を拠点とする窃盗団のボスのもとに、かつてのパートナーから「巨大カジノから世界に1つしかない幻のダイヤモンドを盗み出す」という計画が持ち込まれる。
これを請け負った窃盗団の6人は香港に赴き、そこで中国人の4人組と合流。
生き方も目的も異なる10人がチームを組み、それぞれの技を駆使してダイヤモンド奪取を目指す。
『チェイサー』のキム・ユンソク、『猟奇的な彼女』のチョン・ジヒョン、『エグザイル/絆』のサイモン・ヤム、『オールド・ボーイ』のオ・ダルスなど、韓国と香港を代表する役者が揃った「アジア映画」の集大成。
中でも、今までの作品とは雰囲気が違うジヒョンの「軽妙でエロい」キャラクターが非常に面白く印象的。
泥棒たちの巧妙な心理戦と、それぞれのラブストーリー、潜入と金庫破りの時間制限が同時進行で絡み合う、伏線の効いた展開が素晴らしい。
そして、激しいガンアクションや、古びたマンションの外壁で繰り広げられるCG無しのワイヤーアクションは息を呑むスリルで、映画史に残る名場面。
韓国で韓国映画史上NO.1の観客動員記録したのも納得の面白さで、韓国製エンターテインメントの傑作の一つだろう。
単純な娯楽作品ではなく、シリアスで悲劇的な流れのテイストが絶妙で、ハリウッド製娯楽作品とは明らかに違う「世界に誇れる韓国映画」らしさが、グっとくる。
韓国映画と香港映画の化学反応で生まれた世界は、純度の高い「愛」という名のダイヤモンド。
「イエス・キリストが十字架に釘を打たれたその日、隣の十字架に、ともに磔にされたのは泥棒だった。泥棒は昔からある職業だ。人々が財物を蓄えはじめたその瞬間から、泥棒はともに生きてきた。ある泥棒は金を盗み、ある泥棒は心を盗む。そして、ある泥棒は世の中を盗む。」
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