「無駄な一日、それは笑いのない日である。」/チャップリン
この映画は《人の数だけ笑いがある》という、ぼんやりしたイメージが確信に変わった作品。
頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の若者との交流を描いた作品で、実話がベースになっている。
これだけ聞くと泣けるドラマだろうと誰もが思う。
だけど泣かせようという気配は全く無く、むしろ笑わせようという雰囲気が貫かれている。
実際、あらゆる場面で何度も笑ってしまったし、常に笑顔のまま鑑賞させてもらった。
《笑い》のパワーは測りしれず、ミラクルを引き寄せるチカラがある。
あらゆる生物の中で何故か人間だけが表現できる《笑顔》は言葉の壁なんかヒョイと飛び越えて、全ての人を幸せな気分にする何かがある。
力の入り過ぎた体をリラックスさせる効果もあるし、怒りの感情ですら浄化するドラッグの様でもある。
この作品でも、体の不自由な富豪と生活を共にすることになった青年は、日々常に笑顔なだけじゃなく、言葉や動きやイタズラの数々でいつも富豪を茶化し、笑わせる。
身分も年齢も全く違うにも関わらず友達の様に接する青年に誰もが心を開いていく。
今まで体験した事の無かったセレブな日々の中で、絵画も音楽もオペラも青年はやはり笑って鑑賞する。
気付かないうちに大人になっていて、いつの間にか頭も硬くなっている大多数の人は、あらゆる「芸術」を子供の様に素直に笑顔で楽しむ青年の姿にハッとさせられるはず。
人生のいろんな出来事は考え方一つで幸福にも不幸にもなるんだと、改めて考えさせられた大事な作品。
「人生はクローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇。」/チャップリン
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