「問題は敵じゃない、我々自身だ。俺達は劣勢に立たされている。俺達は恐れ、敵は恐れない。俺達は疑い、敵は信じている。」
《米国家安全保障局(NSA)の監視活動を暴露した米中央情報局(CIA)元職員の亡命》にリンクしているかもしれない「アメリカの実態」が克明に描かれてる。
ある日、アメリカ政府に一本の「ビデオテープ」が送られてくる。
そこには主要三都市に核爆弾を仕掛けたという、テロリストからの犯行声明が収録されていた。
すぐにテロの首謀者が身柄を拘束されるが、彼は爆弾を仕掛けた場所を決して吐こうとはしない。
FBIのテロ対策チームと、CIAの尋問スペシャリスト「H」は恐ろしい拷問も辞さない非人道的なやり方で尋問を開始した・・・。
開始早々に容疑者の「指を切り落とす」という非人道的な尋問は、どんどんエスカレートしていき見るだけで痛い。
本作は「正義」の名のもとにどれほど「悪」を許せるのか、どれほど「悪」になりきれるのか、いかにして「正義」を貫くのか、そして「悪」とは「正義」とは何か・・・痛烈な皮肉を交えて我々に問いかけてくる。
『24』を超える非合法な拷問を続ける側と、それに異を唱える人権派の対立は、数千万人の「命」の前で《答え》は出ない。
911後のアメリカが抱えるテロリストとの「終わりなき戦い」の縮図とも言える本作は、「悪」が「悪」を生み、「正義」も「悪」を生むという《負の連鎖》に陥ってしまった現代のリアルでシビアな状況を容赦なく見せる。
アメリカやヨーロッパの主要国で続々と「上映禁止」になった本作は、《不安》と《恐怖》で出来た「爆弾」の様に、観客の思考をもパニックにする破壊力がある。
緊迫感がピークに達するラストはまさに《Unthinkable》。
「アメリカが俺の愛する祖国と宗教を踏みにじったのだ。お前達は53人殺した俺を野獣と言うが、お前達は日々何人殺しているか分かっているのか?」
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