野球部のマネージャーだった。
今思えば些細な揉め事だけど、その時の自分には解決できないことが重くのしかかり
「責任を取ってやめます」なんて言って退部届を出した。
責任の意味も知らなかった。
ホッとした表情で受け取った同級生の部長の顔が忘れられない。
お互い幼かった。
本当はやめたくなかったから、敢えて自分に科した罰のつもりだった。
すでに引退してた先輩部長から呼び出されて
「お前、言いたいことあるんじゃないか」と言ってくれたのに
「ないです。私が思ってることを話しても誰も喜ばない。絶対に言わない」と答えた。
「お前はそうやって、これからも言いたいことを我慢して生きていくのか?」とまで言ってくれた。
「それが私の生き方ですから」
なんて、21歳の私は譲らなかった。
それから一年経って、私の卒業式の日。謝恩会から帰って玄関を開けたら、大きな花束が届いていた。
白いバラとマーガレットの大きな大きな花束。先輩からだった。
どこかの遠征試合の帰りだったか
「私は白と緑の花束が好きなんです。バラとマーガレットが一番好き」
と話したことがあった。
それを覚えていてくれたんだ。
すでに一年前に卒業されてるのに、私の卒業式を気にしていてくれた。
嬉しくて涙が溢れた。
こんな未熟で頑なな私を許してくれた先輩の優しさは、一生忘れられない。
そんな素敵な人に出会えた大学時代は、今でも一番懐かしい場所として思い出せる。
花は色々だけど、やはり白と緑が好き。
凛とした清らかさが好き。
そしてやっぱり
今だに本当に言いたいことは言えないんだなぁ…