中野雄「丸山眞男人生の対話」その2から | さかえの読書日記

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琴線に触れたことを残す備忘録です。

 「日本という国は有史以来、人間という存在の生き方を解明し、理解するための普遍的思想を創出したこともなければ、生き方の指針を教示する独自の宗教を編み出したこともない―――それぞれの時代に流布され、倫理観の基礎となったのは、すべて外来思想であり、外来宗教であった。膨大な文献の渉猟、眼光紙背に徹する考察と思索を重ねた末、日本政治思想史学者丸山眞男がたどり着いたのはこの結論であった。」