天気予報をお伝えします。明日は全国的にホットケーキの雨🥞が降るおだやかな一日となるでしょう。九州から四国にかけては所によりにわかキャンディー🍬に。一方北日本では次第にハンバーガーの雨🍔となりそうです――

そんな天気だったらさて、あなたはどうする？

『くもりときどきミートボール』

くもりときどきミートボール (ほるぷ海外秀作絵本)

Amazon（アマゾン）

ジュディ・バレット：文　ロン・バレット：絵　青山南：訳　ほるぷ出版（2004年）

結構有名な絵本みたいで児童文学の人気作『ワンダー』にも何度か出てきたし、あとで知ったがCGアニメにもなっているらしい。海外の絵本でここまで徹底したナンセンス絵本もあまり読んだことなかったが、これはお父さんが子供たちに語って聞かせるおはなしで、つまりはお父さんの創作なのよね。でもそこがポイントだと思っている。

自由な創作の爆発。話ながら作っていくようなかんじなのだと思うが、話しているうちにどんどん暴走してメチャクチャにヘンテコな世界になっていくわけだけど、でもちゃんと理屈っぽい部分も合わせて話を補強している。だからナンセンスなんだけど妙に現実っぽいというか、あり得ない世界だけど共感は持てるのはそういう理由だろう。ナンセンスだけど所謂「バカバカしい」話ではなく、こんな世界あったらどうだろう？というクエスチョンでもある。

空から調理されて完成された料理が雨のように降ってくるって、まずそもそもナンセンスにしてもよくこんな発想浮かんできたよね。なかなかこんなメチャクチャなおはなしって思い付かないと思う。でもタダでミートボールとかホットドッグとか降ってくるんだから、この町の人たちはデブが多いだろうな。野菜も降ってくるんだろうけど好きなものしか食べなさそう。不摂生な食生活でこの町の病院は生活習慣病の患者が多そうだw まあでも異常気象（？）でピーナッツバターサンドばかりの毎日になったらそりゃ僕だって飽きるだろうしツラいよなぁ。どこもかしこも食べ物だらけになって、ナマモノだから放置すれば腐って大変だし、シュールで笑えない状況になってくる。

でもそんなふうに考えていくと、ハタから見ればあり得ないようなナンセンスで笑ってしまう状況でも当事者にとってみれば死活問題。それって解釈を広げれば今現在実際に起きている社会問題などにも通じるのではと思う。少しずれるが以前どこかの温泉地で地殻変動か何かが原因で源泉が涸れてしまい、温泉で成り立ってる地域経済としては大問題ということがあった。温泉がタダで湧いているうちはみんな恩恵受けて幸せだけど、ひとたびそんな地面の気まぐれみたいな目に遭うと大変なことになる。

こんなふうに見ていくと、こうしたナンセンスなお話って現実の社会を透視する窓にもなる。な〜んて、そんなおカタいこと抜きで存分に楽しんでほしい愉快な絵本🎶

明日は全国的にミートボールの雨が降るでしょう？？？