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うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

3姉妹のパパです。
読み聞かせをしているうちに絵本にはまってしまいました。
子供に絵本を読んであげられる時間は人生の中のほんの一瞬。今この時を大事にしたいですね!
わが家の 絵本箱の中から 思い出の絵本を ご紹介します!!

ヘンゼルとグレーテル (ミキハウスの絵本)/グリム
¥1,575
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おなじみのグリム童話

絵は幻想的であたたか


お話の細部は忘れていたのですが、子供の頃このお話を知って、「お菓子の家なんてすごいな」と単純に思ったことと、底知れない怖さを感じたことも覚えています。

改めて読んで、その正体が分かりました。
親に捨てられるという怖さ…。

子供にとって何とも恐ろしい展開です。翻訳は、かなりストレートなのでは、と感じます。怖がりの娘たちに対して、これまで何度か読んであげましたが、決して寝る前には読むまいと思ったものです。
絵本として何種類か出ていると思いますが、本作は、たむらしげるさんの幻想的で温かなイラストが特徴です。メルヘン性を高め、生々しい怖さを中和しているように思います。
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少しさびしくて複雑な読後感


年取った老夫婦が育てたカボチャの中から笛や太鼓の祭囃子が聞こえ、穴から中をのぞくと小人たちが楽しそうに踊っていました。
毎夜このカボチャの中の踊りを見るのを楽しみにしていた老夫婦は、破れた太鼓の換わりに新しく作った太鼓を入れてあげます。
喜んだ小人たちに招かれて、二人は小さくなってカボチャの中に入っていき、ずっと楽しく幸せに暮らしました…
最初読み聞かせした時、次女がぽつりと、「さびしいお話だね…」とつぶやきました。孤独な老夫婦が異界に旅立つ結末。確かに「ハッピーエンドなのかな?」と考えてしまいます。
また、最近はかわいいイラストの絵本が多いですが、日本画家・秋野不矩さんの絵は、いい意味で子供への迎合がありません。時代もあるかもしれませんが、むしろ、こんな絵本の方が子供の想像力はふくらむのかもしれません。
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モチモチの木 (創作絵本 6)/斎藤 隆介
¥1,470
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臆病な男の子の勇気とやさしさ


峠で猟師のじさまと暮らす豆太は臆病者で、夜中に一人で用を足せません。外には大きくて不気味なモチモチの木があるからです。

年に一度、山の神様のお祭り日にモチモチの木に火が灯るといいます。しかし、それを見ることが出来るのは、勇気のある一人の子供だけ。

その夜、豆太は腹痛で呻くじさまの声で目を覚まします。大好きなじさまが死んでしまうと思った豆太は、医者を呼ぶために夢中で外へ走り出ます…。


小学生のころ教科書に載っていましたが、臆病な豆太が勇気を振り絞る様子に、ぐいぐい気持ちが引き込まれたのを今も覚えています。

そして、このお話をさらに印象深くしているのは、どこか懐かしい滝平二郎さんの切り絵です。特に、木が点灯する場面は美しく幻想的です。
「自分で自分を弱虫だなんて思うな。人間、優しささえあれば、やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ」
最後に豆太を称えるじさまの言葉がずしりと来ます。
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子リスのアール/ドン フリーマン
¥1,365
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一人前になるための
かわいい冒険


わが家の読み聞かせ初期のお気に入り絵本のひとつに「くまのコールテンくん」がありますが、「子リスのアール」は、その作者ドン・フリーマンの没後に見つかった絵本です。

アールは人間の女の子ジルと仲よしで、ドングリや、くるみ割り器、赤いスカーフをもらって来ます。でもアールを一人前のリスにしたいお母さんは、ドングリは自分で見つけるようにとしかります。

探しに出たアールは、たくさんドングリがなるナラの木を見つけるのですが、そこには乱暴な雄牛がつながれていて…。

白黒版画の中でただ一つ、ポイントとなるスカーフだけが赤。なんとも渋く、おしゃれです。アールのコミカルな仕草や表情がかわいく、ドタバタの末に気持ちよくお話が終わるところは、この作者らしいです。
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おうち探しの素敵な旅行


のどかなクローバー畑の中の家に住むおばあさんは、家が古くなったので、一緒に住んでいる動物たちを連れて新しい家探しの旅に出ます。
気に入った家を見つけては住もうとしますが、動物たちが次々に不平を言います。1軒目は「小川がない」(ロバ)、2軒目は「クローバーがない」(牝牛)、3軒目は「屋根裏がない」(猫)。
最後にたどり着いたのは、物好きなおじさんがペンキを塗り替えたばかりの家。条件がそろったその家は、よく見たら、なんとイヤになって出た元々の家でした。

結局は住み慣れたわが家が一番だと再認識したおばあさん。

「考えてみりゃ、素敵な旅行を楽しんだってことさ。」
自然の中で、こんな のんびりした暮らしもしてみたいものです。

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微笑ましいクジラの親子
それをやさしく見守る月


まんまる月夜に生まれた赤ちゃんクジラは、お母さんの愛情をいっぱい受けて成長していきます。この親子が北の海に旅立つまでのお話。

仲のいいクジラ親子の様子は、場所や形は違えど、人間のそれとなんら違いはありません。この赤ちゃんクジラの成長をやさしく見守るのは月です。南洋を照らす穏やかな光が印象的です。

読み聞かせ初期のころによく読んだ絵本です。絵を描いたあべ弘士さんは、旭山動物園で飼育係をしていた経歴を持ち、その動物の絵には独特の温かみがあります。(代表作「あらしのよるに」など)
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だんごどっこいしょ (子どもがはじめてであう民話 1)/大川 悦生
¥1,050
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ほのぼのとした民話

あどけない主人公が可愛い


いつも芝居っ気たっぷりに読んであげる絵本ですが、結末が分かっていても、読んでいる途中でこちらも 「ぷっ」と吹き出してしまいます。この単純さ、おおらかさが民話の魅力だと思います。
主人公の男の子“ぐつ”は、一緒に暮らしている婆ちゃんからいろいろ頼まれ事をされますが失敗ばかり。

ある時、お使いで訪ねた町のおばさんの家で初めて団子を食べます。それがあまりにも美味しく、婆ちゃんに作ってもらおうと、名前を忘れないようにと 「だんど、だんご…」と唱えながら帰るのですが…
この絵本の魅力の一つは、主人公の男の子“ぐつ”の可愛らしさにあります。わが家の子供たち(特に妹)は、読んであげると、まるで何かのキャラクターを見るように 「ぐつ、かわいい」と言ってニコニコしています。うーたんパパの ☆★☆絵本箱☆★☆

このブログは、わが家の絵本読み聞かせの記録をいつか本にしたいと思い、その原稿作りのつもりで始めました。紹介してきたのは、すべてわが家にある絵本です。
最初は「長くは続かないかも…」と思っていましたが、2年半も続けてこれて我ながら感心しています。
このブログの印象から、私のことを 「寝ても覚めても絵本のことを考えている人」と思われるかもしれませんが、全く関連のない仕事をしていますし、自分のための読書もしますし、絵本は暮らしの中のごく一部でしかありません。

一方、このブログを介して新しい友人が出来たり、テレビに出させてもらったり、また、意外と仕事に役立ったりもしました。

一番感謝しているのは、記事を読んでくださる方がいらっしゃったことです。不思議な友情を感じていますし、ご縁に感謝です。本当にありがとうございます。
思い入れのある絵本については、あと数冊で書き終えます。今後の投稿ペースは少しダウンするかもしれませんが、引き続きよろしくお願いします!

野口英世 (伝記絵本ライブラリー)/こわせ たまみ
¥1,470
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心を打つ母と子の強い絆


野口英世の伝記は数多くあると思いますが、この本は、母子の強い絆を物語の縦軸に据え、小さな子にも分かりやすくコンパクトにまとめている点が特筆です。

幼いころ自宅の囲炉裏に落ちて左手の指が癒着する大やけどを負った英世は、学校でいじめを受けます。

やけどは自分の不注意が原因だったと自責の念を持つ母シカは、「勉強で見返してやろう」と英世を励まします。

自分が親となった今、改めて思うのは、シカの心の痛み、そして深い愛情です。家は貧しく、シカ自身は平仮名カタカナをやっと書ける程度だったといいます。それが後の世界的医学者を育てます。運命は不思議だと感じます。

この本は、ある意味、娘たちに対する教科書のつもりで購入しましたが、娘たちはこちらの予想以上に英世の生涯が印象に残ったようです。

親孝行、思いやり、努力、博愛、献身…。実は子供たちは、今も昔も純粋にこんな話が好きなのだと思います。
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ふたりのゆきだるま ほか3話 (いわさきちひろ・おはなしえほん)/立原 えりか
¥1,575
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はかなげな絵とやさしいお話がマッチ


このシリーズは、岩崎ちひろの絵に対して、立原えりかがそれに沿ったお話を創作するという形式で ほとんどが作られました。
春夏秋冬と季節ごとに各1巻あり、わが家には品切れで入手できなかった秋篇以外の3冊があります。
冬篇の本作は、初めてスキー場を訪れた女の子と、スキーが上手な地元の男の子との つかの間の交流を描いた表題作の他、冬の間に妖精たちが蝶のために羽を縫い上げるお話などが収まっています。
シリーズを通して劇的なストーリー展開はありません。でも、はかなげな絵とやさしい文章が絶妙にマッチしていて、伝わってくる美しいイメージは、ずっと記憶に残るものです。
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