ひとり「咳をしても一人」と尾崎放哉は詠んだ。咳き込んでも、それが家の中に響き、しいんとしている。寂しいなぁ、というイメージ。咳き込んでも心配してくれる人がいない、とも読めるし、咳払いのような小さな音ですらよく響く、と静かさを象徴しているようにも読める。でも、最近この歌を思い出すとき、喜びしかない。家に誰もいない。誰にも邪魔されない。ビバ!ひとり!…その前提には、普段いかに家がうるさいかというのがあり。何年か経ったとき、この歌の寂しさを味わう日も来るのかな。