10月中旬。
再び東京地裁。
時間ギリギリに到着してしまったため、すでに被告が部屋の中で待っている。
「こんにちはっ!」と、緊張感のないデカい声で挨拶する被告。
はっきり申し上げてしまうくらいこだわった金額の部分が、今日決まるというのに、やっと素直に支払う覚悟ができたのだろうか。
まずは被告等の話を聞くため、自分は廊下に出る。
2週間かけて検討してきた和解金の金額を伝えるだけなのだから、すぐ終わるはずと思いきや、思ったより時間がかかる。
ドアを閉めているにもかかわらず、何を言ってるかは聞き取れないものの被告の声が廊下にまで聞こえる。
これはかなり揉めているのか、それとも元々無駄に声が大きいからなのか。
そして書記官に呼ばれ、部屋に入る。
その時の被告の様子はというと、口をとがらせ、不機嫌そうに椅子をくるくる回していた。
明らかに来た時とは様子が違う。
今度はこちらの話を聞くため、被告が廊下に出る。
そして裁判官より伝えられた和解金の金額。
35〜40万。
これは、損害賠償と慰謝料の請求がほぼ認められたと言っていい金額だろう。
「これが勝訴に近い和解というヤツか」と思いつつ、40万で合意。
どうりで被告の機嫌が悪いわけだ。
これで和解成立ということで、被告も交え和解条項を決めていく。
「和解金はいつ頃までに振り込めますか?」という問いに、不機嫌そうに「いつでも」と答える被告。
てっきり分割払いになるものだと思っていたのだが、案外経済的に余裕なのだな。
ここでは書けないが、あんな方法やこんな方法で資金集めをしているのだし、おそらく経費として扱うんだろう、と思った。
いったいどういう名目で計上するのかが気になるところだが。
まあ、それは自分には関係のないことだ。
和解金の支払期限は1ヶ月後。
そしてそれ以外の細かい条項をいくつか決め、終了。
あとで書面として届くそうだ。
終始不機嫌顔だった被告。
そこまでの金額を支払うつもりなど更々なかったのであろう。
なんと言っても被告等のケチっぷりは半端じゃない。
そもそも被告等がケチでなかったら、ここまで揉めることもなかったはずだ。
おそらく裁判所側から、判決まで持って行ってもそのくらい支払わなくてはならないと言われ、説得されたのではないだろうか。
著作権法違反にしても契約違反にしても、認めざるを得ない状況にまで追い込まれていたのだから。
最後まで謝罪の言葉はなかったし、反省の色もまったく見えなかったが、これはもう別次元の生き物なのだと割り切るしかないのだろう。
言葉も常識も通じない相手なのだ。
あとは1ヶ月後に和解金が振り込まれれば、すべて終了だ。