早く寝なければと、思えば思うほど眠れない。


隣では赤ちゃんの小さな寝息。


2階からは眠りを促すBGM。

夫と、夫によく似た長男が、同じような格好で眠っているのだろう。



これが幸せというやつだ。
壊したくない。絶対に。



だから私は鍵をかける。
自分のこころに鍵をかける。



どうか出てこないで。


わたしを揺さぶるような
感情は。


涙が出そうなほど
切ないあの人への気持ちは。


優しい声で私の名前を呼ぶ

あの人の声は。