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『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」中村哲が本当に伝えたかったこと』

・当方の意図

①アフガン旱魃の実態と気候変化の重大さを伝えること

②アフガンでは河川からの取水方法の改善が生存の術であること

③技術が自然に従い、折り合わせるべきこと

④自然の恩恵は身近にあるのに、人が自分で造った世界に埋没して気づかないこと

 

・1足400~500円の靴でその人の社会生活が守られるという、嘘みたいな話ですが、これが大きな仕事として、目立たないけれども力を発揮したということがございました。

(ハンセン病の裏傷防止)

 

・現地に合った、効果のある協力というのは、これはやはり上から、日本の、あるいは援助する側のアイデアで何かを始めるのではなくて、下から上を見ると言いますか、地元にとって「これがいるんだな」「あれはいらないんだな」ということがわかって、少なくとも、外国で立てられたアイデアは修正されてやられるべきものだという気がします。往々にして、援助する側が喜んで引き上げたけれども、援助された側は、ただ侮辱が残ったということも、名前はだしませんがあったんですね。

 

・こんなことをすれば間違いはなかろうという人たちが集まってきておりまして、「希望を共有する」ということで、うまくチームがまとまっておるということに、日本の人にはわからないでしょうけれど、私は非常に誇りに感じているんですね。

 

・「わたしはですね、人からほめてもらおうと思ったことはほとんどありませんけれども、これだけはほめてほしかったですね。井戸水、飲料水ならともかく、あれだけの作業で一万人の人が、緑化の結果戻ってきたというのは、やはり、感動的でしたね」

 

・テロリスト討伐だのと言うけれども、本当にテロリストに当たった爆弾は、あんまりないんじゃないですかね。犠牲になったのは、ほとんどが普通の一般市民、農民。もちろん、それに対して地元の人は反感を抱くわけで、イラクほど話題になりませんけれども、構造としては、イラクに限りなく近い状況でしょうね。

 

・昔からわたしが思ってきたのは、この復興支援が、誰の立場に立って行われて、そして誰のためになる支援かということを考えると、これは非常にさびしいものを感じざるを得ないわけですね。

 

・現地はですね、人を退屈させないところなんですね。なんかもう、一つ問題が片付いたなあと思うときに、また新たな問題が起きてくる。それが自分にとってどうしようもないということであればあきらめますけど、頑張れば何とか、できそうなだなあとということが次々と起きてきて。それに追いまくられて、気づいたら二十年が経っていたというのがですね、まあ、真相じゃないでしょうかね。

 

・もうどうにもできないことであれば仕方ないけれども、自分が出ていけば何とかなるんじゃなかろうかという状況のときに、そこで引きさがるかどうかの問題で、引き下がれなかったもんですから続いてきたというのが実態で、別にわたしに立派な思想があったわけじゃないんですね。

「セロ弾きのゴーシュ」というのがありますね。宮沢賢治の童話で。

お前はセロが下手だから練習しろと言われたゴーシュという人が、一生懸命練習していると、狸が来たり、野ねずみが来たりして、「子どもを治してくれ」だの、いろいろな雑用をつくるわけですね。

しかし、「まあ、この大事なときに」と思うけれど、「ちょっとしてやらんと悪いかな」ということで。

そして上手になっていくわけですね。

そして楽長にほめられたという話がありますが、それに近いでしょうね。

 

・アフガニスタンの抱えている大きな問題はケシ栽培です。ケシは感想に強いので、手っ取り早い現金収入を得る手段として、農民たちがケシの作付けをするという悪循環になっています。アフガニスタンは、現在(2005年)、世界の麻薬の七割以上を供給するという状態になっておりまして、この撲滅というのはいくら取り締まっても駄目で、やはり、その土地で暮らす農民たちが安心して生活できるようにしなければ、永久にこれはなくならないわけでして。

わたしたちはそれに代わる換金作物ということで、お茶の栽培を根気よく続けておるところです。

 緑茶を消費する国は、モロッコとアフガニスタンと日本と、この三つです。中国でもありますけれども、主流は蒸したお茶とかいろいろなものが出回っていて、緑茶を主に消費するというのはこの三国。

 

・アフガニスタンの人びとの、日本人を見る目というのはどうでしょうか。

 ずいぶん変わりましたね。特にイラクへの自衛隊派遣ですが、あれ以来ですね、「やっぱり日本も同じなのか」というのが、まあ直接にはそういうことは言えませんけれども、偽らざる、人びとの一般的な気持ちでしょうね。

 ただ、今の中堅の世代は日本に対する尊敬が残っていますので、しばらく大丈夫かもしれませんけれども、次の世代になると、これは明らかに同じ穴の貉として、英米と同列の目で見られて、攻撃の対象になるということは十分考えられます。

 

・「希望はけっして人の世界にはなく、自然の恵みにあるのだ」

 

・本当に受け入れられるものは、黙っていても普及していくというのが、わたしたちの経験で、たとえばサツマイモにいたしましても、広がるものは試験農場から盗まれるんです。夜中にこっそり、誰かが種芋を盗っていく。そのうち種芋がなくなってきましたので、サツマイモは蔓からも増やせますから、「蔓を盗っちゃいかん」という噂を流しますと、翌日から今度は蔓が盗られる。これはですね、非常にわれわれとしてはうれしい兆候なんですね。

 

感想

 『セロ弾きのゴーシュ』のお話は知りませんでした。

メタファー(隠喩)はより深く理解できますね。

 

中村哲さん、アフガニスタンの医療視察に行ったのは、アフガニスタンには趣味の蝶々で「珍しい蝶々がある」が動機でした。

そこで、ハンセン病の蔓延、現地から「ぜひ力を貸してほしい」と言われました。

中村哲さんは「精神科」でしが、ハンセン病の治療を学び現地へ。

しかし、治癒だけではなかなかよくならないことを痛感されます。

生活に問題があったのです。

釘など踏むのでサンダルを普及させるなどいろいろ改善にてを尽くします。

井戸掘りもその一つです。

ところが井戸の水位が下がり、もっと深い井戸を掘らないと水が出ないようになりました。

そこで川からの水を引くことにチャレンジします。

砂漠が穀倉地帯に変わっていきます。

住民も農業ができないので、タリバンの傭兵で日銭を稼ぐしかなかったのです。

 

現地の人の立場で一緒に考えて来られたのが大きかったですね。

65万人以上が農業で生活できるようになりました。

傭兵もケシ栽培もしなくて良くなったのです。