私は、人間関係に上下があるという感覚が
致命的に理解できない。
目的のあるチームにおいて、目的達成のために
その場のリーダーが存在するのはわかる。
私はそもそも、年齢だの立場だのの上下関係なく、
他人には一律に丁寧に対応する。
嫌なことは遠慮しますとにこやかに言う。
だって、私は自分の国の王様で、
相手は他国の王様だと思っているから。
どこまでも対等に、マナーよく外交する感覚かな。
かつて夫の親族とのやりとりで疲弊した経験があるけど、
振り返ってみると問題の構造は単純そのもの。
相手は私を自分の下の立場の人間だと認識していて、
相手なりに『下の人間に対する最大限の優しさ』を
発揮したつもりだったのかもしれないけど
私にしてみれば、
相手なりに配慮したであろう状態？でさえ、
すでにどれもこれも
『私が決める領域への越権行為・侵略行為』だったというね。
相手は私を自分の属国の王だと思っているから、
初めから私の領土なんて存在しなかったわけで、
越権でも侵略でもなく、
当たり前に自分の領土を管理しようとしただけ。
（なんなら、属国の王は夫で、私はそのおまけで、
意志や発言権すら無い存在と認識されていた可能性も…）
もちろん、相手が私の感情を知らないのは当たり前だし、
私は大好きな自分に嫌なことを我慢させたりしないから、
「嫌だ。やめてくれ」という意志表示をするよね。
初めは丁寧に、それでも伝わらないならはっきりと。
私は自分が嫌なことは何があろうと絶対にしないから。
大事な自分の心身を守ってあげられるのは、
他でもない私だけだからね。
相手は上の立場の人の意志を
ずっと尊重して我慢して生きてきたから、
この私の主張が理解できなかったんだと思う。
下だと思っている人間に、
嫌だなんて言われると思ってないから、
驚いちゃったんだろうな。
「自分は嫌だなんて言えなかったのに、
何でこの人は言うんだろう？下の立場なのに」
という疑問で頭がいっぱいだったんだと思う。
わからないのは当然だよね、
まさか私が「下の立場だと思っていないから」なんて、
きっと想像もできないだろうから。
私の感覚からすると、
上下関係のある世界しか知らない人とは、
王様どうしの対等な会話ができないから困るんだよ。
私のことを自分の下に置く人は、
「属国の王のくせに生意気な！黙って従え！」って反応だし、
私のことを自分の上に置く人は、
「上の立場の人の言うことはなんでも聞かなくちゃ」って
反応だし。
どっちの反応をされても、正直面倒くさいし居心地悪い。
私はただ、対等に会話したいだけなのに。
相手もきっと、私の感覚が理解できなくて、
すごーく居心地が悪いだろうな。
どうして上下関係で人間関係をつなぎたい人たちって、
そんな不健全な感覚を握りしめていられるんだろう。
大きなお世話かもしれないけど、
しんどくないのだろうか。
我慢させたり、我慢させられたりするばっかりでさ。
きっと、私には理解できないメリットが
あるのかもしれないね。
例えば、考えなくてもいいから楽だとか。
黙って従え！で済めば、相手を説得する努力もいらないし、
黙って従っていれば失敗したとき相手のせいにできるもんね。
楽だと思う人もいるんだろうな。
そういう幸せを選ぶのもその人の自由だもんね。
私にとってそれは、
メリットでも幸せでもなんでもないんだけど、
私に押し付けてこない限りは
相手の領域のことだから問題無いよ。
どうぞ自分の選んだその世界で
生きてもらえばいいかな。
その生き方を尊重して邪魔しないであげるために、
合わない私は、別の場所で生きてあげるのが
一番の思いやりだと思ってる。
だから、その親族の集まりに顔を出すこともない。
私も相手も、どちらも幸せでいられる距離を
見つけていければそれでいい。
相手を変える必要もないし、
自分が変わる必要もない。
お互い我慢しないで生きられる距離が、
その人間関係にふさわしい距離なんだよね。
だから、罪悪感は微塵もない。
大好きな自分の「嫌だ」という気持ちも、
上下関係の世界で生きたいという相手の意志も、
どっちも尊重してあげる私、えらい！って思ってる。