「いつの日かまたみなさんに、鈴木尚広をお見せできるように」

その言葉に胸を熱くした。

 

 

 

11/23、ジャイアンツファンフェスタが開催された。

そのイベントのメーンは鈴木尚広の引退セレモニーだ。

 

 

CS敗退直後、鈴木尚広引退が報じられた。

稲妻に打たれたような気持ちだった。2016シーズンも終わり、

2017シーズンへ楽しみを切り替えていく中で、突然の引退発表。

正直何を言ってるのかわからなかった。

まだやれるだろ?なんで引退するんだ?そんな気持ちでいっぱいになった。

 

 

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鈴木尚広

通算 355安打 10本塁打 .打率265

こう見ると平凡な選手に見えるかもしれない。

 

しかし鈴木尚広は安打、本塁打、打率を見て評価できる選手ではない。

規定到達はなんと一回もない。しかし鈴木尚広はレギュラー争いの激しい巨人軍の中、20年プレーしてきた。

20年プレーできる、誰にも負けない「走塁」という技術があった。

野球好きならわかるだろう。鈴木尚広という選手はジャイアンツのジョーカーだ。

 

1点を争う緊迫した場面。ベンチから出てきて選手の交代を告げる監督。

コールされる「代走鈴木」。場内に流れるTRAIN-TRAIN。

ベンチから颯爽と現れるオレンジの手袋をつけた鈴木尚広。

場内は大歓声。

バッテリーの警戒の中スタート、ぐんぐんと加速しそのままのスピードで二塁へのすスライディング。セーフのコールにわく球場。

それらのすべてはジャイアンツファンの記憶に染み付いた光景だ。

ジャイアンツファンは鈴木の登場に歓声をあげ、相手チームファンは悲鳴をあげる。

そんな記憶に残る名選手だ。

 

 

そうして野球ファンの記憶に色濃く残る選手だが、

同時に偉大な記録を持つ歴史に名を残す名選手だ。

通算代走盗塁数は132、2位の元近鉄・藤瀬選手の106盗塁に26の大差をつけている。

また、200盗塁以上の選手の中では成功率が最も高く、

その脅威の率は82.91%(278企盗塁228成功)

さらに228盗塁の中で132盗塁、通算盗塁のうち半分以上を代走で決めている。

 

 

これらの記録に負けないほどのインパクトを、すべてのジャイアンツファンが受けた走塁があった。

2014年7月15日、対ヤクルト戦

3−3、延長十二回、1アウト、井端の内野安打での出塁から、代走鈴木。

やすやすとスチールを決め、ツーアウト、ランナーは二塁に鈴木尚広。

バッターボックスには橋本到。打球は一塁手のグラブをかすめ、

ライト強肩雄平の前に。三塁回った鈴木、雄平の送球はストライク送球で捕手中村に、

中村のタッチをかいくぐりベースにタッチ、サヨナラのランナーとして生還する鈴木。

神の手走塁なんて呼ばれたりしたこの走塁の動画は何回見たかわからない。

鈴木尚広以上に代走で出てきて胸が熱くなる選手はいない。

見に行った試合で鈴木が見事な走塁で勝利を収めた試合も多かった。

 

 

 

そんな走塁において記録にも記憶にも残る鈴木尚広の引退セレモニーでは多くの思いを感じた。

選手会長でここ数年共に戦い続けた長野の涙。

 

 

盟友の二岡への握手の時、涙する鈴木。

 

引退会見で鈴木は

「第二の鈴木は必要ない」

この言葉には後輩へのエールと、自身の走塁技術の自信が伺えた。

鈴木尚広のようなスーパーサブではなく、レギュラーを目指して欲しい。

そんな気持ちが感じられた。

 

 

「いつの日かまたみなさんに、鈴木尚広をお見せできるように」

鈴木尚広はそう言った。素晴らしい走塁技術を読売巨人軍へと、次の稲妻へと、継承していって欲しい。

 

 

 

 

走れ、走れ、走れ、誰よりも早く

スタート、スタート、尚広、稲妻継承。

 

 

 

この夢の続きは、いつか鈴木尚広が育てた走り屋の盗塁に。

栄光に向かって走る、あの列車に乗って行こう。

たくさんの感動をありがとう代走のスペシャリスト鈴木尚広!