言葉をあげる
ダイヤモンド社
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会社員時代に上司にマグロ船に乗せられたというユニークな経歴を持つ齊藤さん。
しかし、そこで得たものはビジネスで役立つ宝物のような経験だったのです。
まずは齊藤先生、
ご高著を恵送頂き、誠にありがとうございました。
謹んで拝見させて頂きました。
あのですね、齊藤さんが週刊ポストにて取材を受けた
際、「ドラッカーよりも実践的」と評価されたそうですが、正直私もそう思います。
だって正直、ドラッカーって難しいし(笑)
だからもしドラがあんなに売れたんでしょうけどね~。
このマグロ船仕事術がなぜ実践的かというと、現場ですぐに活用できるイメージが沸くからです。
それにメッセージ自体はすごくシンプル。
すぐに実践でき、かつ効果がある事ばかりが書かれています。
中でも私が一番心惹かれた言葉、それはこの記事の冒頭にも挙げたこのメッセージでした。
「言葉をあげる」
マグロ漁の景気が良かったのは昔の話で、今は普通の会社員と同じ位の収入だそうです。
しかし船長はこういいます。
「若ぇ人たちには、金はよーやれんようになっちょーが、『言葉』やらはいくらでもあげられるけんのー」
その言葉の通り、船長は乗組員の若い人達に対し、厳しくも思いやりのある言葉をかけます。
それも具体的に良いところを褒めるし、その褒めた個所についてを忘れないようにしています。
また叱る時は、相手のいい所を認めながら、なぜいけないのかをちゃんと伝えながら叱ります。
マグロ船は狭いスペースの中で長期間ともに仕事をするので、人間関係の不和はあっという間に船内に伝わり、すぐにギスギスした雰囲気になるそうです。
そうなると不要なケガや事故につながるし、仕事のクオリティも下がります。
そうならないために、漁師たちは言葉というものをすごくすごく丁寧に扱うそうです。
これは正直、陸の上の普通の会社の方が、言葉に対する意識は低いかもしれません。
上司でさえ、「自分の事を認めて欲しい」という欲求が先に立つような言葉を投げかけますから、部下がまっすぐにビジネスに向かって行けるわけもありません。
狭く、過酷で、そして少人数であるマグロ船だからこそ言葉を大切にし、日頃からより良いコミュニケーションを築いていくのでしょうね。
見習うべきところは本当に多く、実践的な良書であると思います。
漁師というと荒くれ男なイメージがありますが、いや実際そうだったらしいのですが、単なる暴力的な荒くれとはまるで違う人たちのようです。
「将来は船長のようになりたい」という具体的な夢を持っていたり、「リーダーは出来すぎるといけない」などに代表されるしっかりとしたマネジメント論を持っていたりと、ポリシーを持った荒くれ男な印象です。
お、男らしい・・・!!!
この本には実践的なノウハウがたくさん詰まっていますが、私は特に「言葉をあげる」という事を日常に活かしていきたいと思います。
自分の事を認めて欲しいとか、そういう自分の事が先に立つような言葉は慎み、「相手の事を思う」言葉をあげる。
とても大切な事だと思います。
私も含め、自分の事ばかり考えていては、職場はギクシャクですからね。。
後輩も先輩も関係なく、相手の仕事ぶりでいいところを感じたら瞬時に褒める事にしようっと。
齊藤先生、ご高著ありがとうございました!!!