「秋の夜長のキッチン」

スーパーで98円で買ったブナシメジ

このまま使わないと腐ってしまう。

そう焦りながら、どうしようかと迷い深夜23時に私は冷蔵庫の扉を開けた
「そうだ豚肉があった!!」
そう思うと私は冷蔵庫の奥にあった使いかけの豚肉を取り出す 

夜の静寂の中、私は鉄のフライパンを火にかけた

しばらくすると「チンチンチン」と熱く焼けたフライパンの音がしてきたのでサラダ油を入れる

フライパンに豚肉を入れると
「ジュー」と
赤い肉たちは踊りながら白くなっていった。 

そして、今日の主役のブナシメジ君たちも一緒にフライパンの上で踊ってもらう

ブナシメジの盛大な秋の香りと共に、ショーのクライマックスはエバラ焼き肉のタレを入れる。

フライパンにタレを注ぎ入れると「ジュウジュウジュウ」と激しい音と煙りを立ててショーは喝采、その瞬間、甘辛い香ばしい匂いが鼻の中に入ってきてキッチンに広がってゆく。

私は出来上がったそれらを白い器によそり
食パンを袋から1枚取り出し、その食パンをちぎりながら皿を拭きとるにして食べた

汚れ1つなく綺麗になった皿

キッチンには静かに料理の残り香(が)と外の鈴虫たちの鳴き声だけが秋の夜を彩り残っていた。

2020.9.15