ラモス女史の「緊急医療」の授業3回目。

診療所をオープンした場合、不特定多数の人が訪れるわけです。
病院に通ってもなかなか治らない慢性的な疾患を持つ人が来る可能性が大きいのが自然療法士の診療所です。

万一、緊急事態が生じた場合、意識の有無、呼吸、循環機能が働いているかというのを確認しなければなりません。

ですから、この授業はとっても実践的。
意識のない人をどう運ぶか、救急車が来るまでどういった姿勢で安全を確保しておくか、といったことを細かく習っています。

驚くべきことに、私、救急車の電話番号、知りませんでした。
19222 って、なんて覚えづらい番号なんだろう!というのが第2の驚き。
人が倒れた時ってこちらもなかなか冷静になりづらい状況で、この番号頭に浮かぶかしら?と不安になりました。

神経学、精神医学を並行して習っているおかげで意識障害(Bewusstseinsstoerung)の種類や昏睡(Koma)の種類など、かぶっていて頭に入りやすいのがありがたいです。

例えば「意識障害」のカテゴライズは神経学、精神医学でも習ったように、
Quantitative (量的)なものとQualitative (質的)なものに分けられます。

●Quantitative Bewusstseinsstörung(量的意識障害)
Benommenheit:昏蒙(意識の混濁)
Somnolenz:傾眠状態(短時間であれば起こすことが可能)
Sopor:昏眠状態(痛みを伴う刺激を与えることで起こすことが可能
Koma:昏睡

●Qualitative Bewusstseinsstörung(質的意識障害)
Delirium tremens (精神錯乱)
Dämmerzustand(もうろう状態)
Amentielles Syndorom(アメンチア、意識の混濁)

●Synkopen 失神
Vasovagale Synkope(ヒステリーなどによる血管障害)
Orthostatische Synkope(長時間立っていたり、急に立ち上がったときに生じる)
Kardiale Synkope(心臓疾患による)
Synkope beim Karotissinus Syndrom(静脈障害による)
Zerebbrale oder Zerebro-vaskuläre Synkopen(脳障害による)
Synkope durch Stoffwechselstörung(代謝異常:糖尿病患者など)
Psychogne Synkope(精神疾患による)

などなど、まずは多くのものをカテゴライズし(ドイツ人が大好きな作業)、特徴を頭に入れていくという、単調だけれどもけっこう私が好きな授業内容。
深く考えることなく、これはこういうもの、と教えられるとそれを素直に受け入れて暗記する。
これって日本人の得意とする授業形態だと思います。

なぜそうなのか、と考えることって日本人は苦手なのではないかしら。
なぜなら、「これはこうだからこういうものなの」、というように学校で教えられてきたから、「どうしてそうなるのか」という深める作業ってして来なかったように思います。
というか、欧米の人達の学ぶ姿勢というのはすべてこの「論理的追求」なわけで、「なんで?」といった問いを発し続け、それに答えなければならない先生たちのプレッシャーといったら半端ではないと思います。
総じて私たち日本人、ディスカッションが苦手です。
人とぶつかることもなかなか避けて通りたいです。

最近、生徒どうしが反目し合っていて、クラスの空気が悪いです。
あ~、疲れちゃいます。
そんなことよりも、私、皆さんの倍以上勉強しなきゃ行けないんですから、そんな人間関係に関わり合っていられませんってば!