九月に19歳になった。
19。
「18ってなんか一歩踏み出した感あるやん。20なんて大きな一歩踏み出すわけやんか。でも19なんてその場で足踏みするようなもん」
大学の友人に、19歳ってなんかびみょーだよねと話した時に言われたセリフである。
なるほどな、と思った。
18歳になったときは地元で、福山雅治の『18-eighteen-』を聴きながら、受験勉強の息抜きに散歩して、「ああ、18になっちゃったんだなあ」とか思っていた。
自分たち04世代は、成人年齢が引き下げられてから初めての18歳を迎える代だったから、高2のときから先生たちに「お前ら18でもう大人だからな」ってしつこく言われたりしていたから余計に思いが強かったんだと思う。
19歳になった日は、地元でも京都でもなく何故か福岡の博多にいた。
本当は9月頭には帰省先の熊本から京都に戻ろうと思っていたけど、まあ色々あって夏休みいっぱいは熊本にいた。
で、彼女を含めた高校の時の仲の良かったメンツで博多に行こうとなった日が、たまたま誕生日だったのだ。
ぶっちゃけ誕生日なんて忘れていた。
集合場所の高速バス乗り場についたときにすでに着いていたやつらからおめでとうと言われ、彼女にプレゼントを貰ったところで思い出した。
あ、自分誕生日だったな、と。
19なんてそんなもんだと思う。
あ、そういえば。
友達からの誕生日プレゼントで印象強かったものがある。
中二の時にもらったハサミだ。
「えぬ、最近なんか買おうとしてるものある?」
「ん-、筆箱に入れてるハサミ、切りにくくなってんだよなぁ」
こんな会話をしたら誕生日に包装されていないハサミをもらった。誕生日にハサミはないだろ、とちょっと思った。言わなかったけど。なんだかんだ壊れるまでは使ったけど。
誕生日という話題からだいぶ逸れてしまった気がする。まあいいか。
この世に生を受けてから19年が経った。
病弱だったちびが、今では背は高い方に分類されるし、真夏に全速力で走っても倒れないくらい強くなった。
親と離れるとギャン泣きしていたあの園児が、地元から遠く離れた場所で一人暮らしをするようになった。
知らない人に見られたり話しかけられたりすると固まっていたあの子供が、音楽やお芝居で舞台に立ったりした。
ああ、19年って意外とすごい。
できなかったことがたくさんできるようになった。
たくさんの人に出会った。
楽しいことも、辛いことも、悔しいこともたくさんあった。
たくさん泣いてきた。
でもそれを超えるくらい笑った。
恵まれてる。
自分はすごく恵まれている。
どれだけ息がしずらくて逃げたといっても、自分をここまで強くしてきたのは、地元と、そこで待っていてくれる家族だ。
傲慢にならず、感謝の心を忘れずに、これからの人生を歩んでいきたい。
まずは、
家族と、そして出会ってくれたすべての人に感謝!