新エネルギー等電気利用法(RPS法) | エド金融道 (息子が「めしが食える大人になる」編)

新エネルギー等電気利用法(RPS法)

いまさらですが・・・4月18日の日経にこんな記事が。


電力会社の新エネルギー利用、義務量拡大・経産省


 経済産業省は17日、電力会社に自然エネルギーの利用を求める「新エネルギー等電気利用法(RPS法)」の導入義務量を引き上げる方針を決めた。2003年度に施行したRPS法は各年度の義務量を定めているが、風力などの導入が順調で実績は義務量を大幅に超えていた。義務量を増やすのは06年―09年度で、平均約18%の上方修正となる。
 総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)新エネルギー部会小委員会が改正案をまとめた。5月にも変更する。 (07:02)


※補足:5月2日の日経新聞の説明によると、RPS法のう最終的な目標は、2010年度までに全販売電力の1.35%にあたる122億KW時を新エネルギーで賄うこと。また、先日の総合資源エネルギー調査会にて順調な義務量の達成状況が報告されて、06年―09年度の自然エネルギー利用量を年度によって4.3億~17億KW時引き上げることが、5月中に正式決定されるとのこと。


原弘産マニアとして風力発電関係のネタは押させておくべきですが、このRPS法については、実は良く知りません・・・そこで、ちゃんと調べてみました。


Wikipediaによると平成15年4月1日に施行された法律で『RPSとは、Renewable Portfolio Standardの頭文字で、「代替エネルギー使用割合の基準」を指すが、「再生可能エネルギー基準」とも訳される。』そうです。

ポイントとしては、まず、国内の電気事業者への『義務』があることです。


1.自ら新エネルギーによって発電する。
2.他から新エネルギー等電気を購入する。
3.他から新エネルギー等電気相当量(法の規定に従い電気の利用に充てる、もしくは、

4.基準利用量の減少に充てることができる量)を購入する。


ここで言う、新エネルギーは以下を指す。


1.風力
2.太陽光
3.地熱
4.水力(政令で定めるものに限る。具体的には、水路式の1000kW以下の水力発電を指す。)
5.バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。)をいう。)を熱源とする熱
6.前各号に掲げるもののほか、石油(原油及び揮発油、重油その他の石油製品をいう。以下同じ。)を熱源とする熱以外のエネルギーであって、政令で定めるもの


そして、これについて、『罰則』がある。


経済産業大臣は、電気事業者が、正当な理由なく義務を履行しない場合には、期限を定めて、義務を履行すべき旨の勧告、又は命令を行うことができる。この命令に違反した者は、100万円以下の罰金に処される。


しょぼい罰金・・・ヒヨコ


でっ、肝心なのが「義務量(基準利用量)」です。

rps

2005年(平成17年度)では、約38億Kwとなっています。(利用目標量ってもありますが・・・これは、2010年度の122億Kwに達成すること考えた単なる目標値のようです)


さて、この義務の履行(達成)状況ですが・・・


http://www.rps.go.jp/RPS/new-contents/top/joholink-rikou.html
2004年度(平成16年度)の義務量約36億Kw時に対して約56億Kwの発電量があったようです。バンキングと言う制度があり、この目標超過分20億Kw時について、翌年に持ち越せるそうです。


2005年度(平成17年度)については、第3四半期までの報告があります。
http://www.rps.go.jp/RPS/new-contents/top/joholink-electric_retailers.html
これによると今年度は、13億KW時の電気相当量の記録のようです。ここに前年のバンキング量20億KW時を足すと33億KW時になります。

となると、第4四半期に残り5億KW時を発電すれば義務量達成と言うことですか・・・


以上の推移をみると、各電力会社のRPS法の義務量の目標は十分に達成出来ているようです。

しかし、「基準利用量推移」のグラフにあるように、2008年から急激に基準利用量が急増します。

よって、各電力会社は、これに対応すべく、今年、来年に仕込みをしておく必要があります(風力発電気の製造、施設の建設に数年掛かる)。つまり・・・今年から急速に風力発電機に関する需要が高まることになると言うことでしょうか?


中国でも需要が増えていますし、”作れば売れる”、そんな状況になるかもしれません。

原弘産はどのように対応するのでしょうか?


数年前、光通信ネットワークの大需要が世界的に発生して、国内だとsantecが需要にこたえるべく、愛知県に大きな工場を建設したり、古川電工が米ルーセント・テクノロジーを買収するなどしました。しかし、翌年、あっというまに需要が縮小し、過剰投資が重荷となり、santec、古川電工ともに、業績が急速に悪化しました。現在は、NTTの大型光関連投資の効果やメトロネットワーク向けの市場の拡大で多少まともになってきているようですが・・・


風力発電もそんなことになりかねないんじゃないかと心配しています。
今後、2~3年は大丈夫だと思うのですが、その後の原弘産の事業計画(長期事業計画)についても知りたいですね。