やりたいことをやる人生 #5
そこはかとなく隅に目をやる。「おい、何ゆえそこに居るのだ」「ええ、近頃はよく冷えますな、旦那。それはそうと旦那はこんなところで何をなさっているのですか」「えい、どかねば斬りつけるぞ」「へへ。あっしは斬れやしやせんよ。あっしは知っておりますぞ。ええ、そりゃあもう沢山の金が埋まっておりやす。」「そこをどかんか。二度目はないぞ。」「そうですとも。旦那様の言う通りでごぜえやす。あの通りが目印でございやす。もう目と鼻の先でさ。」「届かぬ、届かんぞ。貴様の体躯が割れぬ、裂けぬ。いや待てよ、貴様は何者だ。名はなんと申す。」「あっしは知っておりやす。ああ、そりゃあもう目もつむりたくなっちまう。」「何なのだ。何が故にその隅にいるのだ。眼底が熱く燃えるように疼いておる。」「へへ、旦那。あっしは知っておりやす。そうそう、近頃よく晴れますなぁ」朱とても朱く、まどろみ照らす。ーーーーーーーーーーーーーーーーー僕たちはたった一度だけ生まれてたった一度だけ死ぬ。僕はその一度で後悔は残さない。