前々から薄々感じてはいたんだが、スペインで明確なものとなり、上野で確信した。


私は宗教画が嫌いだ。キリスト教の宗教画を見ていると不安な気持ちになる。なんでだろ?


これでもミッション系の大学を卒業したんだがな。思い当たる罪と言えば、キリスト教学の授業で聖書を枕にし、ヨダレと皮脂を付けた上にロッカーに放置して捨てたくらい。


それくらいで神は怒らないだろう。怒るのは信者なだけで。私はサタンの化身なんだろうか?
いくら私がB型だからって、『あんた臭いよ、風呂に入ってんの?』なんて言えない。


言わされそうになって、香水を贈ることで収めた。恩人を傷付けるくらいなら、多少出費は安いもんだと思う。


しかし、これを言えと強いる人間は、なんとまあデリカシーのない奴なんだろうか。
帰宅し、マンションのエレベーター待っていたが、6階に止まったままで一向に降りてこない。


階段も考えたが、一度マンションから出て、暗闇で鍵穴を探すのも面倒臭い。仕方なしに待っているとやっと動き出した。


きっと誰か降りてくるんだろうと身構えていたら、ようやく1階に来た。端に避けてドアが開くのを待っていたら、楽しげな数人の青年の声と共に無機質なものが見えた。


初めはわからなかったが、無機質なものの全貌が見えてギョッとした。ママチャリが立てられてエレベーターに収まり、大学生くらいの青年4人が冬場のてんとう虫の如く自転車の後ろで肩を寄せ合ってる。


彼らも私の存在に気が付くや否や、水を打ったように黙り込んだ。なんだか気まずい。彼らは私を待たせた事に対してか、それぞれ頭を下げて通り過ぎる。私は疲れと驚きから何も言葉を発せず、ただエレベーターのボタンを押したまま節目がちに彼らを送り出した。


久々にシュールな光景に遭遇した。