CDMにどういうのがあるのか、詳しい資料を探していて
たどり着いたのが財団法人地球環境センターの
事業調査結果のデータベース。
CDM・JI事業調査結果DB

これはなかなか良くできたデータベースで
ジャンル別や対象国別で検索できるのでいろいろ参考になります。

中でも読んでいて興味深かったのが
(有)泰至デザイン設計事務所という方がフィジーで検証された
マングローブの植林事業でした。
フィジー・低所得者層コミュニティ参加型マングローブ植林事業調査

ちょっと話がそれるけど、マングローブの植林って
いろいろ貢献度が高いみたいですね。

まずマングローブがあると自然の防波堤になるみたい。
そして、マングローブが豊かな生態系を育んで
地域の人もそれを食べたり、薪や薬にしたりするみたいよ。

あと、エビの養殖所を作るのでマングローブが破壊された
という話があります。真偽のほうは確かめたことないけど、
日本人には関係のある話みたいですね。

日本人って、たぶん世界一エビを食べる国民で、
エビや関連製品を年間ひとり2.5kg、
エビフライにすると80匹分らしいです。
えびのおいしい豆知識

だからマングローブの再生もひとつの意義かも知れません。

この(有)泰至デザイン設計事務所の方がまとめられた報告書には
成長するにしたがって、マングローブがどれだけ二酸化炭素を
吸収するかというシミュレーションが詳しく載っています。

それを見ると30年スパンでのプロジェクトになるみたいです。
実際、植林のCDMとして認められているのは30年か、
20年を2回更新する60年か、どちらかの期間なんですね。

だから、終わる頃にはボクはこの世にいないな~、きっと。
CDMとして認められる要件とか、課題について
もう少し書いていきたいと思います。

CDMとはクリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism)の
略で、先進国が開発途上国に技術や資金を援助したプロジェクトで
二酸化炭素の排出を減らせば、減らした分の一部を
先進国が自分が減らした分としてカウントできる仕組みですな。

よく例えばなしで出てくるのが、発電かな。
今まで火力発電でガンガン二酸化炭素が出ていたのを
日本の援助で作った風力発電で電力をまかなえば
二酸化炭素は劇的に減るし、
その分の一部を日本の削減分としてカウントできる。

実際はCDMにもいろいろあって、風力・水力・バイオマスなどの
再生可能なエネルギーによる発電とか、メタンガスの回収、
N2Oやフロンガスの回収など、いろいろある。

その中に植林も含まれるのだけど、結構マイナーな存在だ。
排出権の数量ベースで見ると、全体の1%ぐらい。
いろいろ聞いてみると、日本が援助したCDM植林が国連に
認められたのは中国で行われたもの1例しかないとのこと。
(もうすぐベトナムでもう1例、認められるらしいけど)

植林って、苗木が森に育ったらどんどん二酸化炭素を吸収して
なんか良いイメージがある。

しかも、風力発電とかメタンガスやN2O、フロンガスの回収の
事業をやろうとするといきなり億単位の資金が必要なのに比べ、
植林は小規模にやればウン千万円の資金で始められるのも魅力です。

でも、植林にはいろいろ課題も多いみたい。
だからマイナーな存在なんだけど、
その理由をもう少し書いていきたいと思います。
ということで・・・なんて3ヶ月も書かない間に、
あっと言う間にいろんなことが起こってますね~。

カーボンオフセットについては、その後仕事がらみで
いろいろ調べてみました。

今現在、ヨーロッパの市場価格としてはトンあたり
2700~2900円なのかな?

でも、実際、日本で買おうとしたら4200~4500円は
かかるみたいね。

やっぱり、買ってきてから京都メカニズムに基づいて
日本の削減量としてカウントするように登録する手続きとか
いろいろ手間がかかってるみたいで、
市場価格にかなりONされます。

例えば、ローソンのロッピーで買えるカーボン・オフセットは
トンあたり4500円で、アルゼンチンのパタゴニアの
風力発電で削減したCO2をクレジット化して売ってるみたいね。

このあたりの詳しいことを調べたいのだけど、
なかなかキレイすっきり分かるような資料が見当たりません。

その理由としては、まだ未解決な課題があって、
結論的なことが言えないからなのかな~、と思います。

まさか、これから排出権の値段もあがるし、詳しく知らせないで
ビジネスチャンスの部分をブラックボックス化したいから・・・
なんてことはないと思うけど。

特に、植林のCDMとか分からないことが多いけど、
分かったことだけ、明日からちょっと書いてみます。