映画もドラマも制作にお金をこんなに掛けたんだから、必ず元は取れる、とは限らない。10億掛けたのにどーして誰も途中でツッコまなかったんだろう、という駄作はある。原作破壊作品など星の数ある。万人に受ける作品などない。でもこれだけお金掛けてこんなに豪華キャストで、誰の意図でこんなになってしまったのか、つうのが一番辛い。二時間映画館に座ってなんじゃこら、が嫌で配信になるまで待つ人がいるんだと思う。

碁盤斬りは国内はもちろん、海外でどのように受け取られるだろうか。

三谷監督のオデッサ　観た。

どんな内容かというと

　アメリカ・テキサス州のオデッサを舞台にした“男と女と通訳の会話バトル”が展開し、留学中の日本人青年役を柿澤勇人、日本語を話せない日系アメリカ人の警部役を宮澤エマ、英語を話せない日本人旅行者役を迫田孝也がそれぞれ演じる。

凄い考えられた喜劇だった。

海外にこの舞台を持っていきたいんだろうなー、と思った。三谷監督、野心派だから。

日本国内で受けても海外ではその感性がわからないものもある。微妙な俳句の侘び寂び、というか、言葉遊びとか日本人しかわからないものもある。漫才もそうだろう。肉体を使うものは万国共通だが、言葉は文化を背負ってしまう。

よく俳優さんには声の質の良さを求められるが、海外だと声の響きの良さで台詞の歯切れなんてどうでもいい。掠れても動き、表情が切実、極上であることが言葉関係なく伝わることだと思う。

最近の配信ドラマや映画の良さ、そして怖いのは、一時停止でいくらでも表情、演技の細かさ、仕草の意味をじっくりとたっぷりと堪能出来ることだ。演技出来ないタレントにこれは超絶、高い壁になる。はっきり言って観てられないタレントはいる。

脚本も映像美もそうだが、観たことのない、表しようのない表情、表現力があるかないか、海外で如何に観られるか受け入れられるか、の差だと思った。ネット世代、地球の裏側に届くのはあっという間だ。

配信の速さと重さ