若い頃ーー本当に若い頃。おそらく中学生ぐらいの時には、わたしには虚言癖がありました。嘘をつくと、どんどん辻褄が合わなくなります。そして、事実ではないので、同じ話を何度もできません。細かい話ができません。


同級生にそのことでたくさんの迷惑をかけました。非常に良くないタイプの迷惑です。誰々ちゃんにいじめられたーーそんな類の良くない嘘です。


全く事実無根のまま、その子は孤立することになってしまいました。どうしてそんなことをしてしまったのか、わかりません。その子に個人的な恨みはありませんでしたが、確かグループの一番強い子がその子を嫌っていて、私はその子にいじめられたと嘘をついたのだと思います。


強い人を前にすると、その人を喜ばせるための嘘が口からすらすらと出てきてしまいました。いじめられていると嘘をつくことが喜ばせることと思っているのもかなりズレているのですが、当時の私はそんなわけのわからない思考回路でした。


いや、いまも訳の分からない思考回路です。




治さなきゃいけないのはわかりますが心を鷲掴みにされたように、嘘がくちから出てきました。



私は加害者でもちろん裁かれるべき人間です。ただ、裁かれたとしてもこのまるでDNAに刻まれたかのような習性は、治ることはないと思います。



治す気がないんだろ、甘ったれと言われましてもどうすればいいのかわからず、ただ、強い人を目の前にするとそういった良くない嘘がくちから溢れます



私は自分が恐ろしくてたまりません。だからわたしは貝のように口を閉ざすしかありませんでした。大人になってから私と会話する人はとても退屈だと感じます。みんなつまらなさそうにしていて、やがて私の周りには誰もいなくなります。どこへ行ってもそうなります。