平成21年3月14日(土) 13:00~16:20
北九州学術研究都市 会議場
第7回
九州工業大学国際環境フォーラム
北九州発・環境モデル都市
~みんなで考えるリサイクル~
この日は強風が吹き、久々に冬の寒さを感じる天気でした。
博多駅からバスに乗り、揺られること1時間半でようやく北九州学術研究都市へ到着。
とてもきれいなところでした。
今回の環境フォーラムの目的は、
我が国の先進的なリサイクル活動の事例発表と参加者との意見交換を通じて、さらにリサイクル社会に進化させることと、その成果をアジア地域へ伝達させること
だそうです。
まずフォーラムの意図とリサイクル社会の課題について、九工大の白井教授より発表がありました。
一番印象に残っているのは、年別世界人口のグラフを用いて近年の急激な人口増加を示しながら、「このままでは化石資源はいずれ枯渇してしまう。限られた資源を有効に使うためには繰り返し使う技術が不可欠で、細々とした問題はあるものの長いスパンでみればリサイクルは重要だ」というような事をおっしゃったことです。
また、リサイクル社会の課題として、市場に出回り消費者の手に届いたものを回収することの難しさを挙げられました。これは、私たちえこあも九大祭を経験して実感していることです。さらに、環境に興味のない若者をどう惹きつけるかや、地域の活動を地球規模のものへ、といった話もされました。
続いて、ユニー株式会社の百瀬氏の発表では、スーパーマーケットでの容器包装ごみ削減の取り組みを紹介されました。家庭ごみの60%を占めるといわれる容器包装ごみ。ユニー株式会社では、使わなくてもよい容器包装(レジ袋)を削減するため、レジ袋の有料化に踏切りました。しかし、商売業である以上それにより売上に影響が出てはもともこもないため、地域の全スーパーが一斉に有料化を開始。さらに市民団体や行政による呼びかけや啓発活動により、レジ袋を断る人の割合は80%超にまでなりました。他にも、卵のパックにバイオマスプラスチックを使用して回収したりもしています。今後の課題として生鮮食品の容器包装の削減などを挙げていました。どうしてここまで環境を配慮するのか、その理由として「次の世代へ美しい自然を残していきたいから」とおっしゃっていました。
ソニー株式会社の山縣氏からは、小型電子機器回収について発表がありました。携帯電話やデジタルカメラには、金をはじめとする貴重な資源が多く使われています。”都市鉱山”と言われたりしますよね。この回収事業はまだまだ実験段階であり、多くの問題があるそうです。先ほどのバイオマスカップの回収でもありましたが、一度消費者へ出回ったものを回収するのは相当難しいようです。実際に小型電子機器の回収では、回収ボックスにごみや回収品目でないものが混ざったり、回収量が思ったより少なかったりしたそうです。やはり、消費者への広い周知と、市民団体や学生の協力が重要なようです。回収ボックスの設置店舗は主にスーパーやホームセンターでしたが、個人的にごみ混入を防ぐため家電量販店に設置したほうがいいのではないかと思ったりしました。
そらべあ基金の上岡氏からは、ホッキョクグマのキャラクター「そらべあ」をシンボルに展開しているグリーン電力の普及活動や、環境教育事業について発表がありました。企業や個人の寄付を受けて、全国の幼稚園・保育園へ太陽光発電施設を設置してグリーン電力の創出や子供たちへ環境教育をしたり、企業とのコラボレーションでグリーン電力証書やグッズ、モニュメントを作ってグリーン電力を啓発したりしているそうです。すごくユニークな取組みだと思いました。発想しだいであらゆる角度から環境活動に貢献できることに気づかされてとても参考になりました。
その後、中国の大連市環境保護局の鄧氏を交えてパネルディスカッションをしました。中国のほうが環境政策は進んでいるのでは?といった話もあったりしておもしろかったです。
このようなフォーラムの場で企業や大学の取り組みを一般市民に紹介して一緒に考えてもらうことは大事だと思います。技術開発も大事ですが、私たち一人一人が主体的に考えて取り組んでいくことが重要ですよね。
九大でもぜひ環境フォーラムを開催したいと思いました。
高橋