Hallo!

ドイツ支部の森林です。今回はドイツで近年はじまったある取り組みについての報告です。


公共機関の利用システムが発達しているドイツ。でもステレオタイプなイメージ通り車の利用も盛んで、Stuttgartのような大都市でも自家用車をもっている人は多いです。


そんなドイツの車。



フロントガラスに張ってあるシール、何だか分かりますか?




このシール、”Umweltplakette”といって、車がどれだけ環境に配慮した物かを表しているんです。

つまりは、温暖化防止策です。大気汚染ガスの排出量のレベルに応じて車には三種類のシールが貼られます。

基準以下のものには写真のような緑のステッカー。もう少し多いものには黄色いステッカー。もっと多いと赤いステッカー。さらに多いと、ステッカーを貼ることはできないそうです。


ステッカーを貼るだけ? いったいどんな意味が?


町には”Umwelt Zone"という標識のある区間がところどころにあり、その区間ではステッカーなしには走行できません。違反車両には罰金30ユーロが課されます。実際そうした標識はStuttgartのいたるところで見かけます。また、緑と黄色・あるいは緑しか走行できない区間もあるそうですが、私はまだ見たことがありません。


この政策はドイツ全体に適用されているわけではなく、州によっては実施されていないところもあります。流れとしては、将来的にドイツ全体で導入される方向にあるようです。Stuttgartでは今年の3月から導入されました。

新しい政策ですが、街中を歩いているとほとんど緑のステッカーを貼った車しか見かけません。


現時点での問題は全く無し...と言いたい所ですが、知り合いのドイツ人にこの政策について意見を聞いてみたところ、

「外国など、適用範囲外の地域から異動して来たドライバーはどうしたらいいのか?彼らへの罰金は過酷だ。」

ということでした。このステッカー、市役所で販売しているんです。インターネットでも購入できるようですが、やはり不便と言われればそうですね。また、彼らに言わせると、政策導入の背景には、

「ベンツやダイムラークライスラーなど大手の自動車メーカーからの圧力」

が有り、

「緑ステッカー適用のために消費者が買い替えをする」

効果を狙ったものだそうです。事実古い車になると、多くが黄色や赤のステッカー適用車だそうです。反面大手メーカーの新車は全て緑ステッカー車。ドイツでもやはり経済界の環境政策への影響力は大きいのか?と考えさせられました。


以上、車大国ドイツの温暖化へのユニークな取り組みについての報告でした。