大阪市中央区南船場のそば店「しのぶ庵心斎橋店」で2月14日、寄席がスタートした。
普段は宴会などに使う座敷を活用。毎月第2土曜日を寄席にする試みだ。北区の定席・天満天神繁昌亭が人気を集めるのに対し、ミナミには落語を披露できる場が少ない。関西演芸協会の桂福団治会長が「若手落語家の育成に協力を」と打診し、経営者の大橋正伸さん(37)も「そばと落語の二つの伝統文化でミナミを元気に」と快諾した。落語を楽しんだ後は同店の手打ちそばが味わえるのもウリ。
「しのぶ庵寄席」と名付け、赤ちょうちんを2個つるし、重ねたテーブルに座布団を置いて高座に。壁には版画を飾り、和の雰囲気を演出した。
杮落としにはファン45人が訪れ、福団治さんと弟子の福丸さん、明石家のんきさんの話芸を楽しんだ。3月14日の第2回目も満員御礼となり、予約を断る人気。4月分もすでに予約が続々と入っている。
福団治さんは「客との一体感を味わえるのがいい。若手もお客さんの厳しさが感じられて勉強になるはず」と話し、大橋さんは「ここからスターが生まれれば。人気が出れば開催日を増やしたい」と期待を込める。
次回開催は4月11日。そば代込みで前売り2000円、当日2500円。定員先着40人。問い合わせは同店(06・6241・2160)。
