「とうとうここまで来たな…」
「もう少しですね、先生!」
山田と教授は、充血した目に涙を浮かべた。
3日間、研究のために彼らは寝ていなかった。
ここ数年はずっとそんな生活が続いている。体はボロボロだった。
しかし、彼らの情熱は決して消えることはなかった。
「いや、まだ泣くのは早い。まだコレは完成していないのだから。」
「そうですね…頑張りましょう!!」
山田は疲れた目をこすり、教授とともに作業をすすめた。
彼らの研究は自然の摂理に逆らう研究だった…。
「時間を止める機械」の開発だ。
人類はいまだ、化学で時間を支配することはできずにいた。
タイムマシンも、タイムリープも、いまだSFだけの産物で、誰も成功していない。
しかし、この二人の科学者は、一時的に時間を止めることに、既に成功していた。
これは人類の歴史を大きく揺るがす大発明だった。
残る問題は、巨大な動力源を必要とするこの装置を、いかにコンパクトにするか、ということだ。
「しかし、教授…機械のサイズを大きくすれば、すぐにでも実用化できますよ。」
「いや、それはできない。」
教授はピシャリと山田の提案を撥ね付けた。
山田は既に成功した公衆電話ほどの大きさの試作品を眺めて、ため息をついた。
馬鹿なことを言った。
教授は絶対に妥協しない。分かっていたことだ。
確かにこの機会は、人間が一人楽に入れて、操作パネルも十分にある。
時間を止めることはおろか、時間を早送りすることも、巻き戻すこともできるし、この中に入って時空を移動することもできる。
人類最高の大発明だろう。
しかし、それでもダメだ。
この機械には大きな欠陥がある。
「いいか、山田くん。
我々は目的を忘れてはならない。
目的を達成できない機械は、どんなに機能が高くても、、ガラクタにすぎない。」
「はい、教授!!」
山田は教授の言葉に体を震わせた。
そうだ。
決して目的を見失わないこと。
だから僕は、この人に着いてきた…。
教授は言った。
手の平にのった目覚まし時計を見つめながら。
「もう少しだ…もう少しで、
『ワンタッチで時間を止める!アンチ目覚まし君~あなたの二度寝もこれで安心!~』
が完成する!!」
「はい!教授!!」
「これが完成すれば、我々はあの悪夢から逃れられる…
けたたましくなる目覚ましをとめ、起きなければならないあの瞬間…
あの魔の瞬間が、
時間をとめ、永遠の二度寝を手に入れる至福の時へと変わるのだ!」
「はい!!教授!!!」
一度けたたましく叫んだかと思うと、二人はまた黙々と作業をはじめた。
カチカチと時計が鳴る音と、二人が作業する音だけがする。
手を動かしたまま、教授は一度だけ、公衆電話サイズの試作品を横目で見た。
そして、こうつぶやいた。
「あんな大きい目覚ましじゃ、止めるのにいちいち布団からでなきゃならん。
まったく、とんだ失敗策だ。」
「もう少しですね、先生!」
山田と教授は、充血した目に涙を浮かべた。
3日間、研究のために彼らは寝ていなかった。
ここ数年はずっとそんな生活が続いている。体はボロボロだった。
しかし、彼らの情熱は決して消えることはなかった。
「いや、まだ泣くのは早い。まだコレは完成していないのだから。」
「そうですね…頑張りましょう!!」
山田は疲れた目をこすり、教授とともに作業をすすめた。
彼らの研究は自然の摂理に逆らう研究だった…。
「時間を止める機械」の開発だ。
人類はいまだ、化学で時間を支配することはできずにいた。
タイムマシンも、タイムリープも、いまだSFだけの産物で、誰も成功していない。
しかし、この二人の科学者は、一時的に時間を止めることに、既に成功していた。
これは人類の歴史を大きく揺るがす大発明だった。
残る問題は、巨大な動力源を必要とするこの装置を、いかにコンパクトにするか、ということだ。
「しかし、教授…機械のサイズを大きくすれば、すぐにでも実用化できますよ。」
「いや、それはできない。」
教授はピシャリと山田の提案を撥ね付けた。
山田は既に成功した公衆電話ほどの大きさの試作品を眺めて、ため息をついた。
馬鹿なことを言った。
教授は絶対に妥協しない。分かっていたことだ。
確かにこの機会は、人間が一人楽に入れて、操作パネルも十分にある。
時間を止めることはおろか、時間を早送りすることも、巻き戻すこともできるし、この中に入って時空を移動することもできる。
人類最高の大発明だろう。
しかし、それでもダメだ。
この機械には大きな欠陥がある。
「いいか、山田くん。
我々は目的を忘れてはならない。
目的を達成できない機械は、どんなに機能が高くても、、ガラクタにすぎない。」
「はい、教授!!」
山田は教授の言葉に体を震わせた。
そうだ。
決して目的を見失わないこと。
だから僕は、この人に着いてきた…。
教授は言った。
手の平にのった目覚まし時計を見つめながら。
「もう少しだ…もう少しで、
『ワンタッチで時間を止める!アンチ目覚まし君~あなたの二度寝もこれで安心!~』
が完成する!!」
「はい!教授!!」
「これが完成すれば、我々はあの悪夢から逃れられる…
けたたましくなる目覚ましをとめ、起きなければならないあの瞬間…
あの魔の瞬間が、
時間をとめ、永遠の二度寝を手に入れる至福の時へと変わるのだ!」
「はい!!教授!!!」
一度けたたましく叫んだかと思うと、二人はまた黙々と作業をはじめた。
カチカチと時計が鳴る音と、二人が作業する音だけがする。
手を動かしたまま、教授は一度だけ、公衆電話サイズの試作品を横目で見た。
そして、こうつぶやいた。
「あんな大きい目覚ましじゃ、止めるのにいちいち布団からでなきゃならん。
まったく、とんだ失敗策だ。」
イラスト・漫画を担当しました



