ハンガリー・ブタペストで行われている世界陸上選手権。超人たちのパフォーマンスに釘付けです。女子やり投げの北口選手が日本女子初の金メダルという快挙に沸いています。そして注目したのが、男子400mでの日本新記録。何と32年振りの更新でした。高野進選手が持っていた44秒78の記録は、日本陸上競技のトラックでの最古のレコードでした。これを0.01秒破る44秒77を出したのが佐藤挙太郎選手。重い扉がついに破られたのです。
競馬でも破られない古い記録があります。中山ダート1800mの1分48秒5というコースレコードです。1983年1月6日にキヨヒダカが記録したものです。何と40年前の記録です。他にも古い記録はありますが、今は施行されていないものや、あってもレース数が極端に少ないものです。キヨヒダカの記録は、ポピュラーな1800mという距離で長年保たれた不滅の記録と言えましょう。よほど馬場状態が適していたのか、当日には2400mダートでの記録もレコードとして残っています。ただし、2400mダートなんて行われることはほとんどありません。それに比べると1800mはよく行われる距離です。よく残ったものだと思います。
私が見たレコードタイムの中で強い印象に残っているのがジャパンカップです。2018年のアーモンドアイのジャパンカップ2400mは、キセキの逃げを好位から直線交わしての独走。競馬場の大きな時計盤には、驚異の2分20秒6と出ました。信じられないタイムです。ジャパンカップは創設以来よく見に行きましたが、レベルが高いので第1回からレコードでした。そして、オグリキャップとホーリックスのデッドヒートによる2分22秒2というタイムにも驚きました。日本の芝コースは世界一速いタイムが出る馬場だと言われていますが、アーモンドアイのタイムはおそらく更新は不可能なくらい凄いタイムです。
レコードを一番記録したのは、幻の馬と言われたトキノミノルです。10戦全勝でレコード勝ちが7回です。惜しくもダービー後、破傷風で命を絶たれましたが、共同通信杯トキノミノル記念としてサブタイトルではありますが、レース名として残っています。トキノミノルはさすがに見ていませんが、1970年代に天馬と言われたトウショウボーイの印象も強烈なものがありました。神戸新聞杯2000mに出走したトウショウボーイは、1分58秒9を出したのです。日本レコードを1秒更新するタイムを馬なりで出したトウショウボーイは天馬と呼ぶに相応しい馬でした。彼のベストレースだと私は思っています。更に付け加えると、4歳時のオープン1600mでも馬なりで日本レコードを出しています。騎乗した減量騎手の黛騎手は生涯その感触を忘れることはない、大変な馬だと述べています。片鞭一つ入れただけだったとも。
馬場状態が素晴らしい日本ではスピード感あふれるレースが見られます。日本の芝コースは、馬場造園技術の結晶ともいえるでしょう。