桐壺(きりつぼ)は、

平安御所の後宮の七殿五舎のうちの一つ。正式には淑景舎(しげいさ、しげいしゃ)という。天皇の日常の御座所となる清涼殿から(後宮の内では)最も遠く、北東の方角にある。 
『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。第1帖。本稿ではこれについて詳述する。 
冒頭 女御・更衣数多さぶらひける中に、いとやんごとなき際にはあらぬが・・・・・・


あらすじ
いつの時代か、それほど身分の高い家の出ではない桐壺更衣を寵愛した帝(桐壺帝)がいた。二人の間には輝くように美しい皇子が生まれたが、他の妃たちの嫉妬や嫌がらせに悩まされ病気がちだった更衣は、幼い皇子を残して病死してしまう。これを深く嘆く帝を慰めるために、亡き更衣に生きうつしの先帝の皇女(藤壺)が入内し、新たな寵愛を得た。一方で更衣の遺児は帝のもとで育てられ、亡き母に似ているという藤壺を殊更に慕うようになる。元服した彼は臣籍降下して帝から源氏姓を賜り、左大臣家の娘・葵の上の婿となって、その光り輝くような美貌から光る君と呼ばれた。