電子書籍元年と言われて早3年目




何があれば元年なのがよくわからなくなっていますが、

日々刻々と移り変わる情勢を見ていると動きが活発になっているのは確かです。

スマホという荒波を迎えIT業界のBtoCの分野で活況なのは

ソーシャルゲーム電子書籍ではないかと感じています。

(※ソーシャルリクルーティングやビッグデータとかはBtoBと捉えて…)




末端電子書籍サイト運営者の視点から見た電子書籍市場を、

自分の持つ情報を整理する為にも少しずつ書いてみます。

消費者から見れば『なんでこんなに使いにくいんだ!』と言いたくなる状況ですが、

少し見方を変えて提供者側からの視点で見てみてください。




ではでは。




まずは電子書籍市場とは?


電子書籍と一括りに言っても、
コンテンツによって状況は異なります。

『文芸』『実用書(ビジネス書)』『コミック』『絵本』『雑誌』あたりが
主だったコンテンツです。

日本国内における市場規模では
コミック>ビジネス書・文芸>雑誌・絵本といったところでしょうか。 
2010年度に650億円規模(インプレス調べ)の市場です。
何か抜けている感が否めないですがまずは以下ざっくりと。


ジャンル概況
『文芸』いわゆる純文学や小説がこの類と捉えています。
まだまだ紙での流通が主で電子書籍におけるシェアは低い。文字主体。
『実用書』
(ビジネス書) 
自己啓発系やビジネスノウハウ系、企業解説などの分野。昨年発売された元アップルCEO 故スティーブン・ジョブズ氏の自伝などが注目を集め、
今後電子書籍化が最も期待できる分野。
『コミック』今日本における電子書籍のシェア8割弱を占める分野。メジャーな一般作(ワンピースとかNARUTOとか宇宙兄弟とか…)に加え、成年向けコミックやBL(BoysLove)等のジャンルがあります。いわゆるフィーチャーフォンの時代に拡大した市場で、電子コミックの市場のうち、成年向けがかなりの比重を占めている。
『絵本』市場規模としては比較的小さい規模ですが、iPadをはじめとしたタッチパネル型のタブレットの登場により、インタラクティブなコンテンツになる可能性が高く、今後注目されていくコンテンツ。
『雑誌』ファッション誌をはじめビジネス雑誌、旅行雑誌などの情報誌。
やはり全体感としては比較的小さいものの、より電子化することで大きく形が変わるであろうコンテンツ。

このジャンルをさらに括ると、
文字モノ(文芸・実用書)、コミック、雑誌にわかれます。
前述の通りコミックは既にフィーチャーフォン時代にある程度の市場が出来ていますので、
電子書籍元年と騒がれているのは市場規模的に今まで比較的伸び悩んでいた文字モノと雑誌です。

文字モノと雑誌が伸び悩んでいた理由は
解像度の低さ、容量の問題など様々ありますが、
なんといってもフィーチャーフォンの画面の小ささが紙の視認性に
勝ることができなかったからだと思います。

スマートフォン・タブレットの登場により、解像度が増し、画面も大きくなり、
ページ容量の制限もなくなるという大きな変化が起こり、
電子書籍元年!!と騒がれているのが現状です。
一様に電子書籍と言っても、コミックとそれ以外では状況が異なるので、
切り分けて考えていく必要があります。

次回はなぜフィーチャーフォンでコミック(とりわけ成年向け)の市場が拡大したか、
これからの電子コミックの方向性について個人的な理解をまとめたいと思います。