エビ男です。(エビ男の名前の由来は、エビオスです)
不妊治療を勉強していて気になった記事がありました。
プレジデントオンラインで連載されている「ほんとうに40代出産は厳しいのか?」という記事です。
この題名から読み取れるように、40歳での出産は、確率的には低くなく、本当に厳しいのは45歳を過ぎた頃から、という主張のようです。
趣旨としては、40歳女性の不安をあまり掻き立てる必要はないのではないか?ということだと思うのですが、経験上はやはり急いだ方がいいのではないかと思います。(もちろん、急がなくても、問題なく妊娠・出産する方もいらっしゃるのだと思いますが、そうなるのかどうかわからない以上、急いだ方がいいと思いました。)
さて、この人が拠っているデータに以下の二つがありました。
(1)40歳以上の出産4万人中自然妊娠・出産が91%(現在の日本でのデータ)
(2)昭和16年の論文を見ると30代後半に結婚した人でも39%が40代に出産
そのほか大正時代などは40代での出産も珍しくなかったという話やアフリカの某国でも40代出産が多いというデータも紹介されています。
これを読んで、とりあえず40歳頃までは安心と思う人が増えてもよくないと思うので、検証して反論してみます。
アフリカや大正時代の40代出産については、一般的な話として、多産の場合は、40代でも卵子が若い場合があるという事情があるためと考えられます。妊娠中は卵子の老化がストップするということです。
上記(1)の40歳以上での妊娠の9割が自然妊娠というのもこれに該当する例も多いのではないかと思われます。
卵子の老化が止まるほか、出産経験があると、一般には妊娠し易い傾向があります(これは妊娠時に子宮の機能が強化されるためだそうです。もっとも、エビ家は2人目不妊なのですが。つまり、一般論は一般論。例外もたくさんあるということです)。
ただ、むしろ、これは出産した人の統計であることに留意しなければなりません。
そもそも40代では妊娠・出産する確率が低いのに、出産した者の統計データを出されても無意味なのです。
それから、上記②で引用されている昭和16年の論文(国立人口問題研究所HPで見ることができます)を読みましたが、上記のような39%というデータは読み取れません(私の読み方が悪いのかもしれませんが)。
その昭和16年の論文は当時の統計調査を分析したものですが、読むと以下のような数字が出てきます。
①妻が40歳で結婚した夫婦(9組)当たりの出生児数は1(データとしては、9組の夫婦に9人の子供)。
②妻が40歳で結婚した夫婦の年齢別出産数(総数)は、41歳、43歳、49歳の際にそれぞれ1人。つまり、9組中、40歳以降に生まれた子は3人。
この①と②の整合性を取ると、②の3人の子以外の6人の子は、結婚前(再婚等の事情があ
るのでしょう)から産まれていた子なのだろうと考えられます。そうなってくると、41歳以降に生まれた3人についても初産によるものではない可能性が出てきます。
③妻の婚姻時年齢が35歳から40歳までだった夫婦は87組あり、その87組で、妻が40歳以降に出産した子は69人。
上記の(2)の39%という数字はどこから取ったのかわかりませんでした。
氏は(2)について、35歳から40歳までに結婚した人なので、40歳以降でも初産の人が多いと推論しているのですが、論文を見ると、
④妻の婚姻時年齢が35歳から40歳までだった夫婦87組が、35歳から39歳までに生んだ子の数は48人。
③と④と、当時の社会情勢(5児以上出産するのが一般的な時代)を考えると、③の69人のほとんどが第二子か第三子だったと推定する方が自然なのではないかと思います。
数字を出してそれっぽく分析されていて説得力を持たせていたので気になって分析をしてみました。
ではでは。
今夜は隣の家族は青く見える
です。