浮気や不倫を経験した妻たちは、「乗り越えられる」と信じようとします。
けれど実際にその渦中を通った人たちの実感は、
想像していたよりもずっと、関係が「他人に戻っていく」というものです。

関係を立て直すというのは、いったん壊れたものを「元に戻す」ことではありません。
終わった関係の上に、まったく新しい関係を築けるかどうか。
それは、理屈ではなく現実の中で問われることです。

そして、家庭があるのになぜ不倫をしたのか。
その問いの答えは、たいてい単純です。
家庭という枠組みよりも、自分の心の衝動が勝ったというだけのこと。
もし家庭を最優先にできる人なら、そもそも踏みとどまれていたはずです。

再構築という言葉は、耳に心地よく響きます。
けれど現実の修復には、意志だけではどうにもならない部分が多くあります。

そのことを知った時、人はようやく『理想』ではなく『現実』の中で生き始めるのだと思います。

※ 記事の内容や表現は筆者のオリジナルです。

引用・転載・リブログなどの無断利用はご遠慮ください。

104. 再構築という言葉の限界