あら?
また遊んであげているのね。


海老蔵と虎太郎を遊ばせていると新之助に話し掛けられた(気がした)。

夢中で遊びに興じている妹達と要求に従順に従っている下僕の様な私を優しい眼差しで見守っていてくれる。
彼女は、いつもそう。


達観している。


彼女は、哺乳瓶で育った。オシッコもウンチも自力では出来ないくらいに小さかった。

懐かしいな…。

ベビーホームにもお世話になった。
毎朝、別れるのがツラくて、暫く幼子の鳴き声が離れなかったもんだ。


あんなに小さかったのに…

いつの間にか
私を追い越して行く。

小さなお堂の
桜の樹の下で
シワシワの老人が
しゃがみこんでいた。

ハリーポッターや、
その手の映画に謎めいたメッセージを残す役回りで
登場してきそうな(申し訳ない)怪しげな老人は、防寒具のフードを被って膝を抱えていた。

因に、今日は晴れ。



傍らには賢そうなラブラドールレトリバーらしき犬が笑顔で正座している。
故に、怪しげな老人ではなさそうだ。

笑顔の犬が老人の妖気を消している。屈託のない花のような表情。可愛がられているのだろう。
大切なパートナーなんだと思った。

シワシワの老人と笑顔の犬

犬がいなけりゃ、
確実に不審者として
通報されるだろう。

パートナーの存在は偉大だ。

車のドアを開けながら
亡き父と、
彼の散歩の相手をしてくれたポチを思い出した。



鼻先がツンとした。
純白の丸い手を更に丸くして、腕にしがみついてくる。まるで私を引き留める様に。
さっきまで、丸い涙の滴を浮かべて淋しいと訴えていた。

虎太郎は泣く。

淋しいと泣く。

二階に行けば二人の姉が居るのに。


とかく、三姉妹は関係性が難しい。