NHKのドラマを見ていた。

作家と猫にまつわる話が
四夜連続で放送される。



今夜の作品は泣けた。



泣いた。


にゃーあら。
また泣いているのね。
貴女は泣き虫ね。


蚊取り線香の煙が
好かんのだろう。
大きな目を
シバシバさせて
昨夜の工作の
成れの果てである箱に
気の毒がって
入ってくれていた
新之助が
思いっきり鼻をかむ私を
見つめていた。




虎太郎は
今夜も機嫌が悪い。


最近、
家の庭に出没する
新顔。

おせんべも
団子尻尾も
白い貴公子も
いつの間にか
来てくれなく
なっていたから
(知らないだけだろーが)
久々のゲストが
嬉しかった。
そんな私を
新之助は憐れむ様に
見ている。

海老蔵は寄り添って
大丈夫だよ。
と、励ましてくれる。


今夜もまた、
虎太郎の強烈な
遊んでくれコールに
応えようと
懸命な努力を重ねていた。


箱でお家を作ってみよう


今夜のテーマだ。


目下、
お菓子の詰め合わせが
入っていた箱が
人気の寛ぎスポット
なのだが、
一つしか無いために
扮装が勃発する事が
日に何度もある。
それを解消させる為の
策だ。
…のつもりだった。


これで喧嘩しないね。


などと、話ながら
ギコギコ
カッターで切ったり
白いテープで補強したり


丸い窓が可愛らしい
家が完成した。


肝心の虎太郎は
見向きもしてくれない。

つーか、
誰も入ってくれない。


しょぼんしょぼんしょぼんしょぼんしょぼんしょぼん


お家の形を崩し
縁に頭を乗せられる様に
してみたが、
興味を示す気配が無い。


報われない恋に
釈迦力に頑張ってる感じ。


にゃー箱じゃなくて
紐で遊びたかったんだよ



シラー紐で遊んでた時は
素っ気なかったじゃん。



にゃー今は、
紐で遊びたいんだよ。



虎太郎は、
ムニュムニュ言いながら
私の椅子で
フテ寝してしまった。


彼女達は気紛れだ。

そんな彼女達に
母であり下僕である私は
日々、翻弄されている。



気にしない方が
イイわよ。
だから、
お便所きれいにしてね。

と、
ウンチ待ちの新之助に
慰められた。


掃除の済んだ
青いトイレ
じゃなくて
これから掃除をする
アイボリーのトイレを
使いたかったらしい。



彼女達は猫である。

彼女達は気紛れだ。


私は
報われない想いに
今夜も胸を焦がすのだ。