「大寒」 ヨユウを持つ
大寒。今冬はここまで積雪なし。
昨年も一度も雪かきしなかったけど、今冬は雪がチラついたのを1〜2回見ただけです。
先日、家族で白馬にスキーをしに行ってきました。雪がないといいながらも、ちょうど行く直前に白馬には積雪があり、滞在している間は快晴という恵まれた日程。ラッキー。
びっくりしたことに、宿には日本人は私たちだけ。ゲレンデのレストランで昼食を食べてても周りは白人の一団ばかり。見た感じではオーストラリア人が多いようです。たまにアジア人がいるけれど、日本人はほぼいない・・・。隣県なのにまるで海外旅行にでも行った気分で一石二鳥な不思議な感じでした。学生時代に行ってた白馬にもどこか西洋的な雰囲気はあったけれど、ここまでインバウンドで盛り上がっているとは!
宿の人から「この時期は手が足りないから、高校生になったらバイトにおいでよー。英語も勉強できるし。」なーんて話を聞いて満更でもない長女でした。
(お世話になった宿は ダンクルネッツ。朝食も夕食も美味!剣道一家でけん玉もすごいという面白いご家族。またお邪魔したい素敵な宿でした。)
さて。今年の作付計画もだいぶ出来上がってきました。何せ50枚以上の畑があるので、パズルのようです。考える要素は結構ある。獣害(主にイノシシ)、連作(里芋などは連作するとてきめんに出来が悪い)、水はけ、作業性、作付け量etc...
計画を立てるときに気をつけることはいくつかあります。
いつもの作物に加えて毎年チャレンジ作物が加わえること。気持ちとしては1〜2割。チャレンジ作物には売上は期待してません。常に新しい作物にチラリとチャレンジすることで勉強になるし、経験値が上がっていきます。やってみて良さそうなら次の年のラインナップに格上げです。農業の場合、植え付けチャンスは一年に一度。そう思うと農家人生でも数十回しかないですからね。
全体の作付け量は少し抑えること。1月は気持ちが大きくなっているのでついつい多くなる。だから1〜2割抑える。計画では押さえても、なぜか植付けの時になると作付け量が増えちゃうってことは、ままあります。そして苦労する(笑)言わんこっちゃない。
農家をやっていて少し分かってきたことがあります。
「ヨユウが大事」ってこと。
めいいっぱいの計画は必ず回らなくなる。天候次第でハウスの補強とか急ピッチの種まきとか、そういう仕事が入ってくる。それを逃すと後々まで響いちゃうっていう仕事です。急ぎ仕事が入った時に対応できるように普段は少し手を空けておくってことが肝心。ヨユウの時間で考えたり、やってみたい工夫をしてみたり、新しいことにチャレンジしたり、緊急事態に対応したりする。
おかげさまで月明かりで里いもを回収する・・・なんてことはなくなりました。成長です。
「小寒」 あうんの呼吸で。頭脳は二つで。
2020年が始まりました。たなか野菜畑12年目です。
干支を一周。就農直前に生まれた次女が子年(ネズミ年)なので、グルーっと一周した気分です。
農業をやっていると二十四節気にシンクロした瞬間に出会うことがままあります。そんなことを思いついたままに書いていければなあと思って、久々にブログを再開することにしました。どこまで続くかやってみよう。
我が家には戌(イヌ)年生まれの雑種の白犬がいます。名前はユキ。
”ユキ”と聴いた人は「雪(白毛だから)」と連想する人が多いんじゃないかと思うけれど、割合に「幸」を想像する人も多いようです。連想ゲームで「ユキ」→「幸」→「サチ」となり、「サチ!」と呼びかけてくれる人がいます。けど、ユキは反応しない。もちろん白い犬あるあるで「シロ!」と呼ばれても反応しない。ユキは「私はユキだ」という自信があるみたい。人の頭の中も、犬の頭の中も他人にはわからないもんです。
今年は子(ネズミ)年。ユキはネズミを見たことあるかな? いつも畑に連れて行っているので、畑を掘ったりしています。バッタやカエルを見つけては遊んでることが多いけど、モグラの穴に鼻を突っ込んでることもしばしば。でも、ネズミは・・・多分まだ出会ってないと思う。まだ一才ということもあるけれど、近所で出会うワンコに対しては下手に出てる。ネコにも気迫で負けてる。ネズミにも・・・負けるかも?
ネズミといえば、春にトラクターを動かしているとハタネズミが走り回ることがあります。巣穴があったのか、表面に出てきたミミズや幼虫を食べにきているのか。チョコチョコと走り回る姿は可愛いもんです。昨春はまだ子犬だったから畑にはデビューしていなかったユキ。今春は走り回るハタネズミに出会えるはず。
夫婦で農業をやっていると思考回路が似てきた。あうんの呼吸でお互いの考えが分かることは良いこと。痒いところに手が届くというか、作業が効率的になるというか。
だけど、頭脳は二つあった方が良いです。同じことしか考えられないようになると、発想が狭くなるし、ミスに気づけない。”やらかしてしまう”リスクが高くなっちゃう。話の内容も一方向になっちゃうだろうし、偏ってしまってるに違いない。
考える部分を分担する。別の方向から考える。意見を言い合って気づく。指摘する。そうでありつつ、お互いの気配を感じて”あうんの呼吸”でコトを進めていく。
二人がそれぞれ違うことに興味を持って、別の本を読んで、別の経験をして、いろんな人脈で話を聞くってことが大事なんだろうなぁ。
頭の中は分からない。だけど大体は読める。そのぐらいが理想です。農家としても夫婦としても。
毎年、4日に地区で行われる左義長(どんと焼き)。しめ飾りや門松、昨年の護符などを集めて作ります。娘らの書き初めも竹に結びつけて一緒に焼いてもらいます。天高く飛んでいくと字が上手になるとか。これで正月行事は終わり。
さて。年も明けたことなので、今年の作付計画を立てなくては。
計画が大事だってことが分かってきた近年。壮大でスマート、かつ現実的な計画を目指します
一番楽しい季節です。動き始めたら、自分たちの指示(=計画)通りに動くのみ!