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※重篤な副作用は一般的に発生頻度が低く臨床現場において遭遇する機会が少ない。
そのため、副作用の発見の遅れが重篤化することもあるので、早期発見・早期対応を簡単に記したものになります。
(自分用にまとめたメモなので、抜けや読解ミスによる誤記がある場合もありますのでご了承ください)
《無顆粒球症(顆粒球減少症、好中球減少症)》
【症状】
「突然の高熱」、「さむけ」、「のどの痛み」
【原因になり得る薬剤】
・抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシルなど):投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・サラゾスルファピリジン:投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・チクロピジン塩酸塩:投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・クロザピン:投与後 18 週以内に発症することが多い
【対処】
無顆粒球症がおこる可能性のある医薬品を飲んでいる方は、かぜ症状に気づいた場合でも、薬局でかぜ薬を買って服用するのはさけて、必ず医師を受診して下さい。
その際、詳しい症状の経過とともに、服用しているすべての医薬品に関して、いつからどれを服用しているかを正確に伝えることが大切です。
【概要】
体内に入った細菌を殺す重要な働きをする好中球(顆粒球)が著しく減ってしまい、細菌に対する抵抗力が弱くなった状態のことです。
無顆粒球症になると体内に入った細菌を殺すことができなくなるため、かぜのような症状として「突然の高熱」、「のどの痛み」などの感染に伴う症状がみられます。
無顆粒球症とは、他に原因がなく、疑わしい医薬品が最近投与され、その医薬品の中止により顆粒球数の回復がみられるものを指します。
【早期発見と早期対応のポイント】
(1)早期に認められる症状
発熱は必発の初期症状であり、その他、悪寒、咽頭痛がある。
(2)副作用の好発時期
・抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシルなど):投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・サラゾスルファピリジン:投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・チクロピジン塩酸塩:投与後 3 ヶ月以内に発症することが多い
・クロザピン:投与後 18 週以内に発症することが多い
(3)推定原因医薬品
抗甲状腺薬、サラゾスルファピリジン、チクロピジン、クロザピン
(4)患者側のリスク因子
高齢、女性、腎機能低下、自己免疫疾患の合併などの場合に発症頻度が高い
(5)自覚症状
発熱、寒気、のどの痛み、だるさ
(血液検査で無顆粒球症を指摘されるまでほとんどの患者は無症状の場合が多い)
(6)早期発見に必要な検査項目
血液検査:顆粒球数 500/μL 以下(末梢血塗抹標本では顆粒球をほとんど認めない)
赤血球数および血小板数は通常正常値を示すが、原因医薬品によっては汎血球減少傾向となる場合もある
(7)発症機序
①免疫学的機序:医薬品が好中球の細胞膜に結合してハプテンとして働き抗好中球抗体の産生を引き起こすものである。抗体が結合した好中球は貪食細胞に補足されて破壊される。
②前駆細胞に対する直接毒性:医薬品あるいはその代謝物が顆粒球系前駆細胞の核内物質や細胞質内蛋白と結合して直接的に傷害する。
(8)副作用発現頻度
・抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシルなど): 0.2~0.5%
・サラゾスルファピリジン:0.06~0.6%
・チクロピジン塩酸塩:約 2.4%
・クロザピン:0.2~0.8%
【治療方法】
①疑わしい医薬品の即時服用中止
②抗菌薬を十分量用いた感染症の治療
※好中球は被疑薬中止後 1~3 週で回復するが、これには症例ごとの差がある
【その他】
(1)医療関係者の対応のポイント
・ 医療関係者、患者若しくは家族等が、無顆粒球症を引き起こす可能性のある医薬品を使用していることを常に認識していること
・無顆粒球症が発症する可能性の高い、投薬開始後 2~3 か月間は定期的に血液検査を実施し、白血球数の減少傾向がみられたら厳重に推移を観察する、あるいは医薬品の服用中止を指示すること
・当該医薬品の処方にあたっては患者に無顆粒球症を起こす可能性があること、発熱、咽頭痛などの感染症状が出たら直ちに来院するよう説明すること
(2)判別が必要な疾患と判別方法
①感染症→
1)細菌感染症:腸チフス、赤痢、ブルセラ症など
2)寄生虫疾患:カラ・アザール、マラリアなど
3)ウイルス感染症:HIV、EBV、CMV、A 型肝炎ウイルスなど
②pure white blood cell aplasia
③慢性好中球減少症
④骨髄異形成症候群(MDS)
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