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※今回は分かりやすくするために有害事象=副作用として表記しています

本来、副作用と有害事象は区別されるべきものではありますが、ご了承下さい

 

薬を飲んで副作用が出た方は、何で薬剤師は副作用の説明をしないんだと感じたと思います

 

特に副作用が強ければ強いほど、ちゃんと説明を受けていないと感じていると思います

 

これについて私なりの見解をお話しします

 

 

薬剤師は基本的にお薬について説明する義務があります

 

ただし、これについては医療の妨げにならない範囲でという但し書きがあります

 

ここでいう医療というのは、主に医師による治療のことを指します

 

医師が治るようにとお薬を処方したのに、薬剤師が頻度の低い副作用やリスクの低い副作用の説明をしたために、薬の服用を自己判断で止めて、治らないという結果になってはいけないという暗黙のルールがあります

 

なので、薬剤師は患者に対して情報を取捨選択してお伝えしなければなりません

 

最近、廃止になった紙の添付文書には薬剤情報が載っていますが、それを患者に渡してはいけないのも、情報過多による自己判断を防ぐためでもあります

 

この説明しない副作用には重篤な副作用も含まれることもあります

 

説明しない(重篤な)副作用は発現がごく稀な副作用や、副作用として発現しても緊急性の低いものが上げられます

 

逆に言えば、緊急性が高く、頻度が高い副作用は出来るだけお伝えしています(患者が急いでいて聞かない等もあるが)

 

なので、副作用と思われる相談を受けても、治療の妨げにならないように。という但し書きの上、情報提供をすることになります

 

そうするとどうなるかと言うと、何か相談されても一時中断か継続かの指示の上、病院へ受診してもらう。ということになります。

 

薬の継続や中止の指示は薬の内容や併用薬、副作用の程度、患者の性質により変わります

 

なので、一律でこうっていうものはありません

 

副作用と思われることがあっても、病院へ誘導されるのはこの為です

 

治療や投薬の権限は医者にあるという前提があるからなのです

 

逆に医師に治療をしてもらいたくないのであれば、その病院にかからなければいいという考えもあります

 

医師も面倒な患者でなければ、治したいと思っているはずです

 

しかし、治したいと思っている医師の治療に不満があるのならば、何故、その病院へ行っているのかと、医師も薬剤師も思っていると思います

 

基本的に病院や薬局は患者を選べませんし、拒否できません(例外はあります)

 

私としては治そうとしている医師の治療に異議は立てられません

 

処方内容が明らかにおかしいのであれば、内容を問うことはありますが、それだけです

 

他にいい薬があっても患者にお伝えすることは出来ないし、個人的にこっちの方がいいのではと思ってもお勧めすることは出来ません

 

それは医師の治療方針に反する行いになってしまうし、越権行為でもあるからです

 

もちろん、患者さんから相談があれば、こういった薬があるよ。程度には話は出来ますが、これにした方が良いよ。とまでは言えません。

 

そういった事で治療を円滑に進めるために敢えて情報を与えないという選択を医療従事者は取っています

 

それを職務怠慢だというのであれば、極端な話ですが、自分で情報を集めて、全てを自己判断で、それを元に自己輸入にて薬を購入し、それを使えばいいという話になります

 

そこには医師も薬剤師も介入することはなく、全てが自分で決められます

 

今の時代、情報も簡単に取得できますので

 

 

 

一例として普段、患者にお伝えしていないロキソニンの情報を開示します

 

これを知って、薬を飲むのを止める方もいるかもしれませんので、神経質な方は見ないで下さい

 

 

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ロキソニンは2010年まで劇薬指定でした

 

市販薬でも売れるようにするため、2010年から普通薬指定に切り替えられました

 

ロキソニンの副作用で有名なのは胃痛、胃もたれなどです

 

喘息も起きやすくなります

 

喘息は人によっては死に至る病気でもありますので、呼吸が苦しくなったら、直ぐに病院へ受診が必要です

 

また、人によっては重篤な副作用を生じることもあります

 

その例として

 

劇症肝炎、無菌性髄膜炎中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、などなど

 

最初期(軽度症)に原因が判明し、治療しなければ入院が必要になります

 

ほとんどの場合、上記の重篤副作用は入院が必要になることが多いです

 

場合によっては死に至ります

 

 

この様な情報を得ても、ロキソニンを使いたいと思いますか?

 

凄い低確率でも飲まなきゃよかったと思う副作用が出る可能性がある薬を飲めますか?

 

 

ロキソニンは市販でもされているくらい安全性が高い薬です

 

そして、常用している人が多い薬でもあります

 

なので、稀少副作用の話は治療の妨げになるので、話はしません

 

これはロキソニンに限りません

 

ほとんどの薬にはごく稀に生じる重篤な副作用が存在します

 

重篤な副作用は入院はもちろん、死に至るものもあります

 

それを医療者間で共有する必要はありますが、患者までにお伝えする必要はあるのでしょうか

 

お伝えするにしても、余分な情報は削ぎ落す必要はあると思っています

 

それでも全ての情報を得て、自分で治療を選びたいなら、自分が医師になるしかありません

 

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参考:

【まとめ】重篤副作用疾患別対応マニュアル(スティーヴンス・ジョンソン症候群)

【まとめ】重篤副作用疾患別対応マニュアル(非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作)