医薬品の供給不足について、ニュースでも取り上げられるようになって各所でどうなっているのかとの声をいただくことがあります。

 

その経緯を簡単にまとめてみました。

 

2020年

・新型コロナが流行

→ 一部の医薬品原薬が入荷しにくくなる。

 

・日医工に厚労省が無通告立ち入り検査にて、手順書違反の医薬品が多数確認

→日医工の医薬品の多数が回収になる&約1ヵ月の業務停止命令

→その後も回収品目↑、再出荷の見通しが立たず。出荷停止品目、出荷規制品目が続く。

 

・小林化工の水虫薬に睡眠薬が混入

→小林化工の約4ヵ月業務停止命令

→自主検査の結果、他医薬品の生産もストップ、再生産の見通しが立たず。

 

2021年

・福島県沖地震により、ニプロの商品の一部出荷停止

 

・台湾での原薬工場火災にて、原薬調達不可の医薬品↑

 

・長生堂の不適正な製造によるGMP違反で約1ヵ月の業務停止命令

 

・共和薬品「アメル」の大幅出荷規制、出荷停止(GMP違反や原薬調達が出来なくなったため)

 

・日立物流センターでの火災にて、一部医薬品が焼失

 

コロナでの製造、物流の不安定は今でも続く

 

上記の様な事がある度に他のメーカーに切り替える薬局がありますが、その度に他メーカーが煽りを喰らっている状態です。

 

普通なら他メーカーは売り上げが上がって良かったね。というところですが、毎日のように出荷調整、出荷規制、出荷停止などの情報が入る度に注文が一気にくるので、対応しきれないという状態にあります。

 

以前にも言いましたが、製薬会社は半年から数年の間隔で製造計画を立ています。

 

なので、急激な需要増には対応出来ないのです。

 

昔は2年毎だった薬価改定も今は毎年になり、改定の度に薬の売値が安くされるため、年を跨いでの過剰な製造も出来ないことも一因としてあります。

 

そういったこともあり、なんらかの原因で供給停止の医薬品が発生すると直ぐに供給不足に陥るのが医薬品の世界だったりします。

 

これは世界各国でも言える話で、薬代を安くしようとすれば、コストダウンをするしかなくて、そのコストダウンの1つが余剰在庫を持たない(廃棄医薬品を無くす)だったりします。

 

出荷制限がかけられている医薬品は3,000品目以上とも言われ、屋号(メーカー)別も各々1つとカウントするならば10,000品目以上あると思われます。

 

各製薬会社は新たに生産能力向上のために、新しい工場をどんどん建設していますが、それが稼働するには数年かかります。

 

なので、以前のように安定供給が出来るまであと3年はかかる見通しです。

 

製薬会社は製造能力を上げ

 

卸は流通規制・各薬局の医薬品使用量に基づき各医薬品を薬局に割り振り

 

薬局はいつも使っていないメーカーも入荷して、同成分で患者に渡せるように可能な限り努力しています

 

また、同成分も入荷が出来ない場合は、医師と相談して、似たような薬に替えてもらう提案をします

 

そうやって治療に出来る限り影響が無いように各業態とも頑張っているのが、今の医薬品業界だったりします

 

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