9月末に妥結交渉が終わりました。

 

末ってのは本当で、最終日まで交渉することになり、価格変更は10月に入ってから順次行われている状態です。

 

今の時世、医療費削減で薬価もどんどん下げられ、メーカー、卸、薬局とどんどん利益が減っていく状態。

 

そして、医薬品の異物混入事件や工場の不整備。人件費高騰。コスト削減、コロナなどなどで、流通がめちゃくちゃな状態。

 

今まで工場はコスト削減で、低価格を実現していましたが、このコスト低減は人件費、計画生産、作業効率化で実現して来ました。

 

人件費はそのままで、本来安全確認など複数人で行うことを1人にしたり、賃金を安くしたり(それにより従業員のモチベーション低下)、時間をかけて行うことをさっさと時間をかけずやったり(溶出試験や検査などは一定時間かけないといけないものもあります。なので、速く出来ない作業というものも存在します)でコストを下げます。

 

計画生産は1年で出る個数を前年、前々年などを参考に過不足なく作ります。この時にコストを抑えるために、何月に何を作るなどして、ローテーションを組みます。それにより、整備、検査回数を減らし、コストを下げます。

また、不足が無いようにして売り逃しを防ぎ、過剰が無いようにして廃棄を防ぎます。

 

作業効率化はそのままで、こうやったら効率が上がって速く生産出来るんじゃね?ってもの。

ただし、医薬品は手順書というものがあり、それから逸脱したものは不良品扱いになります。

いくら作業効率を高めても、手順書違反であれば、それは医薬品として流通させてはいけないものになります。

これに関しては随時、書類を更新して、申請を上げていれば問題なかったのですが、申請から受理、許可まで時間がかかるので、なぁなぁにしてきたツケが今、来ています。

(もちろん、製造に関わらない所で申請が要らない工程(輸送など)はどんどん効率化していけばいい)

 

そんな感じで、今回の妥結ではメーカーが価格をかなり上げて来て(薬価は下がっているのに)、卸も薬局に卸す値段を上げざるを得ない状態になっている品目がそこそこあったりします。

 

ものによっては薬価の1.5倍の値段するものがあり、その医薬品だけの処方なら赤字になる場合もありえます。

 

国が医療費を削減したいのは分かりますが、診療報酬、調剤報酬、薬価などをどんどん下げれば、それだけそれに関わって働いている人の給料を減らさざるを得ません。

 

国が言うベースアップは経団連に所属している大企業にしか意味がないように、医療職の給料は高く出来ないようになってきています。

 

厚生労働省が大きな予算を計上しても、財務省は○○億円も減らすように指示し、予算はかなり減らされ、減らされた予算で公務員の給料、生活保護費用、医療費用などを配分しないといけないです。

 

ただでさえ、コロナで生活保護の人が増えているのにコロナ予算で一時的に補填はありますが、それでも十分とは言えない金額です。

 

個人的には生活保護は財務省の管轄でやって欲しい。

 

そうすれば、厚労省も医療職もお願いベースでの患者への頼み事が減って良いよう気がします。

 

財務省からの振り分けがあるから、選別しないといけないし、対策もしないといけない。

 

医療費無料なので、理解無い患者はジェネリック拒否かつ多重の病院周りで医療費アップさせる。

 

それに疲弊する現場。。。

 

医師会が強いので医師は給料が減ることは少ないが、だからって急激に上がることもない(勤務医が開業医になったとか転職とかは別で)

 

次に強い看護師会は病院に付随するので、看護関連の点数は減らされにくくなっている(その分、業務が多くなっている気もするが)

 

そうなると、政治色の弱い所はどんどん点数を減らされ=給料を減らされることになって、賃金上昇・微インフレなんて夢のまた夢なわけです。

 

工場とか卸も国に訴えかけていますが、(最低薬価の上昇はあっても通常、価が引き上げられるってころはなく、逆ザヤになって赤字垂れ流しでも、国はメーカー、工場、卸、薬局を救いはしません。

 

メーカーは新薬を作れば10年くらい利益が取れますが、どんどん利益がなくなり、最終的には赤字になることも。

 

外国では薬の値段をメーカーが決めるところもあり、それにより医療費が高額化していますが、患者の出費は高くなっても、売る側が赤字になることは無い。

 

逆に日本は保険制度が充実している半面、薬の価格は国に握られているので、どっかの部分では赤字で提供を強制されている部分もある。

 

赤字医薬品に関してはメーカーも卸も薬局も扱いたくない。でも、供給の義務があるので扱わざるを得ない。

 

ただ、卸の医薬品製造中止のお知らせをみると明らかに赤字だからだよね。ってものはある。そうは言わないが。

 

でも、営利企業なら当たり前なのだが、その当たり前は国の制度保護下によってちょっぴり歪になっている。

 

保護下にあるのだか、過剰な利益を許されなくて、税金を使っているので、給料が減ってもいいだろ。と言われんばかりに毎年、点数を厳しくされる。

 

淘汰も仕方ない部分もあるが、何ともやりきれない。

 

報酬点数に関してはある意味仕方ない部分もある。そう思う部分もある。

 

しかし、薬価だけは毎回、えっ?て思う。

 

製造、流通、在庫、廃棄、消費税。色んなコストがあっても、そのコストが反映されていない気がする。

 

薬価で利益出すなと言われそうだが、薬価差益が無いと廃棄リスクがある薬はいちいち取り寄せしたくないし、患者にはお薬無いですと断りたい。

 

基本的に断ってはいけない日本の薬局。

 

インフラの一部になりつつあるので、簡単に断るなってのも分かるので、その分赤字にならないように配慮が欲しい。

 

 

 

今は流通が不安定すぎるので、入れてくれる卸、使えるメーカーを使うしかい状況で、安く仕入れたいがそれすらも出来ない状況で、薬局がどんどん苦境になっていくんだろうなって思う。

 

それでも、平均年収はもらえると思うので、頑張って勉強して、就職してからも勉強し続けて、コロナ患者にも接したり、土日祝日出勤などもあってもいいと思えるなら将来の職業の選択肢に薬剤師があってもいいと思います。

 

ただ、基本接客業なので、対人交渉や会話など苦手な人は辛いかも知れません。

会話レベルも相手に合わせる必要があるし、薬剤師の常識は一般の非常識ってのもあります。

平均年収はあっても高給取りにはなりにくい。

ただ、平均レベルなら就職しやすい。

 

そんな夢もへったくれもない職業です。

 

私は薬剤師になって良かったと思っている方で、学校の勉強は大変で苦労しましたが、就職してからの勉強っていつか役立つ可能性があって、それを理解すると楽しかったりします。

また、医療の知識がおのずと身につくので(知識をアップグレードしたり、調べないといけない職業なので)一般の人より医療については詳しくなり、自分や家族、子供が病気になったときに対処しやすいと感じています。

 

原発事故の放射線問題やコロナウイルスやワクチンの真偽やデマに惑わされにくくなりますしね。

 

 

 

と、脱線しまくりましたが、マジで経営厳しいわ。薬局という話。

 

 

おまかせ広告です。

押してくれると嬉しいです照れ

 

-------------------------------