※私なりに分かりやすいように表現している部分がありますので、医学的表現、解釈と違うものがありますのでご了承下さい。

 

 

ナルコレプシーとは、耐えがたい日中の過度の眠気(EDS)や居眠りを基本症状とする中枢性過眠症

 

原因は覚醒・睡眠を抑制するオレキシン神経細胞の脱落であることが知られています。

それにより、過眠症状やレム睡眠関連症状、睡眠の分断化が現れると考えられています。

 

ナルコレプシーの居眠りは5~15分程度で目覚めることが多く、居眠りの後は一時的にリフレッシュしますが、数時間すると再度眠気に襲われることを繰り返します。

人によっては、睡眠麻痺(金縛り)や入眠時幻覚などの症状を伴う場合もあります。

 

ナルコレプシーにもタイプが色々あります。

 

ICSD-3(ナルコレプシー タイプ1)(A・Bを満たす)

A.耐え難い睡眠要求や日中に眠り込んでしまうことが毎日、少なくとも3か月間続く。

B.以下のうち、最低1つが存在する

 1.情動脱力発作(感情により脱力が起こり倒れること)があり、標準的な方法に従って実施されたMSLT(睡眠潜時反復検査:2時間おき検査を実施し、眠気の程度を評価)において、平均睡眠潜時が8分以下、かつ2回以上の睡眠開始時レム睡眠期(入眠時レム睡眠期、SOREMP)が認められる。前夜、睡眠ポリグラフ記録でSOREMPがあれば、MSLTにおける1回のSOREMPの代替としてよい。

 2.免疫反応性によって測定されるCSF中のオレキシンA(ヒポクレチン-1)濃度が110pg/mL以下であるか、あるいは同一の標準化された測定によって得られる健常群の平均値の1/3未満である。

 

ICSD-3(ナルコレプシー タイプ1)(A~Eを満たす)

A.耐え難い睡眠要求や日中に眠り込んでしまうことが毎日、少なくとも3か月間続く。

B.標準的な方法に従って実施されたMSLTにおいて、平均睡眠潜時が8分以下、かつ2回以上のSOREMPが認められる。前夜、睡眠ポリグラフ記録でSOREMPがあれば、MSLTにおける1回のSOREMPの代替としてよい。

C.情動脱力発作が存在しない。

D.CSFのオレキシンA(ヒポクレチン-1)濃度が測定されていない。あるいは免疫反応性によって測定されるCSFのオレキシンA濃度が110pg/mLを超える、または同一の標準化された測定によって得られる健常群の平均値の1/3を超える。

E.他の原因、例えば睡眠不足症候群、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠・覚醒相後退障害、あるいは薬物または物質やその離脱の影響では、過眠症状やMSLT所見をよく説明できない。

 

ICSD-2(情動脱力発作を伴うナルコレプシー)

A.患者が最低でも3か月間、ほとんど毎日、過度の日中の睡眠が生じると訴える。

B.感情によって引き起こされる急激で一過性の筋緊張喪失エピソードで定義される、情動脱力発作の明確な既往歴がある。

C.情動脱力発作を伴うナルコレプシーの診断は、可能な場合はいつでも夜間睡眠ポリグラフ後にMSLTを実施して確認するべきである。検査前の晩に十分な夜間睡眠(最低6時間以上)をとった後にはMSLT上の平均睡眠潜時は8分以下で複数回のSOREMPが観察される。あるいはCSF中のオレキシンA濃度が110pg/mL以下である。(健常群の平均値の1/3未満である。)

D.この過眠症は他の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害では説明できない。

 

ICSD-2(情動脱力発作を伴わないナルコレプシー)

A.患者が最低でも3か月間、ほとんど毎日、過度の日中の睡眠が生じると訴える。

B.典型的な情動脱力発作は認められない。ただし、不確かな、または非定型性の情動脱力発作様のエピソードが報告されることがある。

C.情動脱力発作を伴わないナルコレプシーの診断は、夜間睡眠ポリグラフ後にMSLTを実施して確認しなければならない。検査前の晩に十分な夜間睡眠(最低6時間以上)をとった後にはMSLT上の平均睡眠潜時は8分以下で複数回のSOREMPが認められる。

D.この過眠症は他の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害では説明できない。

 

ICSD-2(身体疾患によるナルコレプシー)

A.患者が最低でも3か月間、ほとんど毎日、過度の日中の睡眠が生じると訴える。

B.以下のうち1つ以上認められる

 1.感情によって引き起こされる急激で一過性の筋緊張喪失エピソードで定義される、情動脱力発作の明確な既往歴がある。

 2.情動脱力発作が認められない場合、または極めて不定型性の場合には、検査前に十分な夜間睡眠(最低6時間以上)をとっても、患者が日常的な睡眠時間の夜間睡眠ポリグラフ後にMSLTで複数回のSOREMPを伴う、8分未満の平均睡眠潜時が確認されなければならない。

C.顕著な基礎身体疾患や神経疾患で日中の眠気が説明できる。

D.この過眠症は他の睡眠障害、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害では説明できない。

 

 

 

ナルコレプシーは簡単に言うと過眠状態であるため、治療薬としては覚せい作用のある薬を使います。

安全性が高いモノはであれば、市販の風邪薬によく入っているメチルエフェドリンとかでもいいかと思っています。

エフェドリンは交感神経を刺激する働きがあるので、目が覚めるとまではいかなくても、多少は覚醒作用があるのではないかと。。。

ただ、ナルコレプシーと病名がつくくらいの過眠の人にはどれだけ効くかは怪しいものですが。

 

ナルコレプシー専用みたいな薬には覚醒剤や覚醒剤原料があります。

モダフィニル、メチルフェニデート、ペモリン、メタンフェタミンとかですね。

この辺りになると依存や副作用の問題もあるので、簡単には処方できないし、調剤もしたくないものになります。

 

ナルコレプシー治療薬は覚せい作用があるので、遅くとも昼(12時)までの服用になります。

午前中飲み忘れても、午後に服用は禁止になります。

また、いくら眠くても、医師から指示された以上の薬の服用は禁止されています。

 

 

※用語

MSLT:睡眠潜時反復検査(2時間おき検査を実施し、眠気の程度を評価)

SOREMP:睡眠開始時レム睡眠期、入眠時レム睡眠期ともいう

CSF:脳脊髄液

 

 

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