高校を卒業して、専門学校に。お互い東京で。
時々、彼のアパートに行き、18歳の独特な部屋で仕方無く1泊したものでした。
面倒くさいSEXもして。。。。彼の欲望だけのね。
「おまぇさぁ。。。。キレイになったけど、性格キツくなったな。まぁ、トゲのあるバラってとこだ。」
こう言われた台詞は、一生忘れない。
「キレイ」と「キツイ」の相反する言葉。
どちらに私は反応したかと言うと「キレイ」だったのだ。
嬉しかった。「キツイ」と言われたけれど「キレイ」という言葉は、強かった。
「キツイ」という言葉の浅い切り傷は、「キレイ」という言葉で、いとも簡単に修復されていた。
いやね、確かに当時の私はキツかった。それは、自分でも充分分かっていた。
だってね、彼の事が嫌いだったからね。
でも、別れるという言葉が言えなかった。彼を傷付けるのが怖かったから。彼の本性が見えちゃいそうで
怖かったから。そして、1番は、自分が傷付く事が怖かったから。
本当に、違和感だらけのカップルだったんだよね。

で、どんな風に終わったのだろう。。。自然消滅だったと思う。
何となく、連絡取らない様になって。。。寂しい様な、解放された様な。

でも、痩せたい気持ちは全く変わらなかった。
私、彼の事が好きじゃなかった。。。んだよ。今の自分はハッキリそう言える。
でも、当時は、好きなのか嫌いなのかなんて、結構どうでも良くね。
「付き合っている」=「何となくかっこいい」みたいな表面的なもので、世間体が主体でしたね。
彼は独占欲が強くて。SEXは、幼くて優しさなど微塵も無く、勝手なものでした。
まぁ、若いんだから、そこは仕方ないけどね^^
容姿は私のタイプ。ど真ん中。好きなはずなのに、嫌い。。。。
一緒にいたいはずなのに、いたくない。。。。
分かってしまったんですよ、顔だけが好きだったって事に。
「あぁぁ~~、片想いが1番良い!」なんて悟ったものでした。

彼の為に始めたダイエット。そのお陰で、ハッピーになれました。自信もつきました。
だけど「おまぇの為にダイエットしたのにぃ~~!!」「こんなに苦しい思いをしたのにッ!!」と、
ネガティブな思いしか沸き起こって来ませんでした。
私はスムーズに彼とキスを交わし、初体験を済ませ、満足感に浸っていました。
彼との仲が親密になればなる程「まだまだ痩せなければ!!」と、焦ったものでした。
「彼と私が釣り合ってない!」と噂をしているんじゃないか?と、勝手な思い込みが、つまり、不安が
私の痩せ願望に拍車を掛けたのです。
映画に行った時「ねぇ、もうちょっと◯◯さんみたいになったら大人っぽくていいのになぁ。」と、彼が。
とても、とても、とても、傷付きました。◯◯さんみたいって。。。
◯◯さんって、私の友達だったのです。
そうか、私は価値が無いんだな。と、実感しました。こんなに毎日、努力しているのに、認められない。
1番に認めて欲しい人に認められない。悲しくて。悔しくて。彼の事が、嫌いになりつつありました。
彼は、何気なく言ったのでしょう。まさか、私が傷付くなんて思わなかったのでしょう。
しかし、17歳の女心は深く傷付き、その傷は回復せず、拒食症として、自ら、傷を深めていったのです。
拒食症なんて言葉、まだまだ全然知らなかったこの頃。
食べない事で、自分の強い意志を主張していたんだよね。
もしも、タイムマシーンがあるのなら、この時の私を、ただただ認め、強く抱きしめてあげたいよ。