昨日の夜作っておいたジョイントに火をつけて天井を見ている。
毎回ずっと思うことなのだが、極上の朝だ。
日本にいても、どこかを旅していても、こうやって目覚める朝が一番好きだ。
僕はジャンキーじゃない。Sはやらない。Eもやらない。アシッドはクラブだけ。チャーリーは好む。グリーンは別格。キメる時間帯は朝が多い。外の空気が好きなんだ。朝の太陽が好きなんだ。急ぐサラリーマンに溶けて街を歩くのが好きなんだ。僕はエリートジャンキーなんだ。名前はWILL。ORIの切り込み隊長にしてLOVEMAKER。いわゆるニートってやつだ。だからこんな生活ができる。まぁひとつヨロシク。
そんな事を考えていたらグリーンが効いてきた…。
「生活に欠かせないもの」というよりも「ライフスタイルに欠かせないもの」は誰にでもあると思う。
僕の場合は、コーヒー、タバコ、ミネラルウォーター。カッコつけたくもないのでこの3点だけあげておこう。
タバコとコーヒーに関しては止められる気がしない。純粋に好きなんだ。味や感覚やその仕草もすべて好きなんだ。偉そうに言う気もないがロックしてるってことなんだ。子供の頃から憧れたスタンドバイミーの喫煙シーン、高校の頃に偶然入ったカフェで見つけたクラスメイトが飲んでいたコーヒー。毎日少し歪んでいくココロをフラットに戻すんだ。思い出に浸るというよりは想い続けているのかもしれない。それほど僕はロックされているんだ。それでもレストランの喫煙席で隣の席のヒトが食事中なら遠慮もするけど…。
イヤホンからはギャラクシー2ギャラクシー。朝なのにギャラクシーって響きのミスマッチが僕をアゲる。軽快に歩いてスターバックスに入る。ゆっくりと過ごす時は本かPCをもって外に出る。近所のスターバックスの外のベンチが調子いいんだ。迷惑な煙は空に溶けていくし、無線LANも使い放題。コーヒーが冷めて、目が疲れたら線路沿いの公園に移動する。ココはベンチの背もたれの角度が絶妙。昼寝にも丁度いいのさ。
ポケットの中にはグリーンが2本とチャーリーが少々。公園でジョイントに火を付ける。頭の中を真っ白にして少し眠る…。
目が覚めて、孤独に飽きてくると誰かに会いたくなる。というかドラッグが切れてくると思い出してしまうんだ。僕はココ2年くらい、とても大きな恋愛をしているんだ。こういったジャンルの話は普段誰にもしない。恋はイエロウサブマリンって具合だ。けどしょうがない。シラフだとパンクしそうになるんだ。
その子の名前はRUSH。まぁ僕が勝手に呼んでいる名前だが。RUSHとの出会いは小さな箱でやったパーティ。
「キミのDJよかったよ。」
「あ、アリガトウ。今日は楽しんでね。」
そんな会話がすべての始まりだった。その時はRUSHのことを意識する余裕も無く、再び会うことなんて無いだろうって思っていたんだ。でも知らない女の子に声をかけられるのは悪い気はしないので覚えてはいたんだ。その日のパーティはすごく盛り上がったんだ。なんかすべてが上手くいく高揚感が僕の中で溢れそうだったんだ。今思えば、いつも勝手に支配された時間軸を、始めて自分で操作した瞬間だったのかもしれない。神様アリガトウ…
その出会いの日から今まで、僕とRUSHは何度も会った。何時間も話した。僕の家に泊まったり、RUSHの家に泊まっては一緒にグリーンをキメてリラックスした。僕とRUSHを結ぶラインがそのたびに太くなっていくのを感じていたんだ。けれど僕はRUSHに対して恋愛感情を見せることはしていない。今まで一度もないんだ。僕の中でRUSHにそういう感情をぶつけることはタブーな気がしてたんだ。これだけ近づいたRUSHとの距離が、感情をぶつけることで、今より離れていってしまうことを恐れていたんだ。ココロに秘めるという動作が、子供の頃の感覚をフラッシュバックさせて常に不安定だった。
好きな女の子とかそんなものにこんなに囚われるなんて…少し考えてプププと笑う。普通にキモい男だねこりゃ。
夕方、日が落ちきる前に一度家に戻った。アイポッドを充電するのと自転車に乗り換えるためだ。自宅マンションの非常階段に置いてある椅子に座り、ORIのMANIAくんに電話をすると、なにやら寝起きのような声が聞こえる。いや恐らくグリーンの最中だろう。夜の予定とか、くだらないことを一通り喋り終えて電話を切った。今日の空は紫色。こんな汚いTOKYOの空は、毎日違った色を僕に見せてくれる。