こんにちは。Sです。
「時間」を通じた鍛錬を象徴する土星が、
始まりと情熱の星座、牡羊座に入りました。
数日前からシフトを感じています。
シフトを感じた理由のひとつが、
昨日参加した、JT生命誌研究館 名誉館長、
中村桂子さんの講演イベントでした。
中村さんは、日本における
DNA研究のパイオニアであり、
生命誌という考え方を提唱された方。
1936年生まれ、御年89歳です。
わたしは、中村さんが発案された
とても好きなのです。
(生命誌絵巻。JT生命誌研究館Webサイトより)
(生命誌マンダラ。JT生命誌研究館Webサイトより)
講演では、
生命誌絵巻で大切な4つの観点の解説や、
ヒトのメタゲノム(細菌たちとの共生)のお話、
(写真を撮っている方、多かった!)のお話や、
地球上で圧倒的に種数が多いのは昆虫、
次いで植物であることから、
地球が植物とそれを支える昆虫たちから
なっていることがわかるというお話、
個人の視座から「わたし」を考えるのでなく、
生命の視座から「わたしたち」を考える
(意訳:分断でなく統合の視点で考える)
というお話などがありました。
わたしにとって最も印象的だったのは、
講演の出だし部分、
そしてそれを語る中村さんの
お姿そのものです。
きちんとメモしなかったので
うろ覚えなのですが、
「人間は生きものである。
当たり前のことです。
誰もがわかってること。
わかっているのに、
社会はそのようになっていない」
といったようなことでした。
いえ、あるいは、
「いのちは大切である。
当たり前のことです。」から
始まったのだったかもしれません。。
「ぜんぜん違うじゃん」と
思われるかもしれませんが、
何せ、印象に残ったのは、
後半部分なのです。
当たり前、みんなわかっている、
なのに、社会は
(それを大切にするようには)
なっていない…。
とても大切な当たり前のことを、
中村さんは、きっと何十年間も、
たくさんの人たちに、平易な言葉で
語りかけてこられたのだろうと。
そのお姿を見て、
何年も前にお話を聞いた
野生チンパンジー研究のパイオニア、
やはり80代(当時)の
ジェーン・グドールの姿を思い出しました。
グドールは、
類人猿の長期フィールド研究
そのものを拓いたスター、
伝説的人物であるとともに、
後半生を動物、生物、生命についての
啓蒙のために捧げている方です。
中村さんのお話には
知らなかった内容もあり、
興味深かったのですが、
世界的影響力をもつグドールの話には
特に目新しいことがなく、
未熟だったわたしは少し残念に
感じたことを覚えています。
けれど、話を聞くスタンスが
「何か新しいことを知れるかな?」では
もったいないときというのが、あるのです。
彼女らは(元)科学者/研究者ですが、
常に何かひとつでも新しいことを
やるのでなければ認められない
アカデミアの世界は、
とうに卒業しておられます。
先駆者として地位を確立してきた
彼女たちのしごと、役割はもはや、
人類の科学的知見を増やすことではなく、
より多くの人をインスパイアすること。
インスパイアされた人たちが、
火を受け継ぎ、手足を動かし、
世界を変えていく。
そして、多くの人に伝わるべき
本質的なこと、本当に大切なこととは、
実のところ「当たり前のこと」である、
ということなのだと思うのです。
思えば、このブログの説明文には、
「古くて新しい調和の世界を生きる」と
書いています。
ずっとずっと昔に、きっとあった、
調和に満ちた世界を目指すということは、
当たり前のことを、
新しいかたちで語り直すということ。
これまで1ヶ月半、まったくの様子見で、
何かを広めようとするタイミングは
もう少し先だという気持ちで、
こっそり書いてきたブログですが、
なんだかわたしも広く、
多くの人に向けて語りたくなってきました。
語られるべきことは、当たり前のこと、
もうわかっていることなのだから。
ただ、そうなると、
なかなかスピリチュアルな話を
しづらい面もありますので、
別の場所やかたちでの発信を考ようかなーと
思っているところです。

