晴れていてもとても寒い日でした。
今回は特別養子縁組とは全く関係無く、
ペットの死についての記事なので
不快に思われる方は読まないで下さい。
一昨日から入院していた
セキセイインコのキナ子を迎えに行きました。
とても残念ながら治療の甲斐もむなしく
昨日の明け方前に発作を起こして
心臓が止まってしまったそうです。
2009年に我が家に来てから6年半の短い鳥生でした。
まだ雛の頃に我が家に来たので
当時は雛用の食事をふやかして
給餌させてました。
妻は口笛が吹けず、夫は吹けたので
夫とキナ子は口笛でよくお話ししてました。
夫婦どちらかが出かけてきて帰ってくると
玄関も開けてなく、まだ家から離れた状態なのに
気配を感じて鳴いてくれました。
最近ではそのせいでせっかく昼寝していたソーラーちゃんが
キナ子の鳴き声で起きてしまい
帰ってきた夫が妻ににらまれるなんて事もよくありました。
カゴから出してあげるとよく夫の肩に止まって
糞を落としていったり、
たまに耳をかじってものすごく痛い思いをさせられました。
雛の時から頭のてっぺんにツンツンした羽根があって
キナ子のトレードマークがお気に入りでした。
残念ながらキナ子は亡くなってしまいましたが
最後に色々な事を教えてくれました。
キナ子が教えてくれたことで
他の子達が1日でも長く生きられるのであれば
嬉しいと思うので、少しまとめてみます。
■発情抑制の必要性とフォージング。
キナ子の死因の一つと考えているのが発情過多による
臓器不全です。
キナ子はここ最近ずっと卵を温めるような行動をしていて
夫が少し触っただけでも発情のポーズを取ってしまっていました。
発情自体は動物なのでして当然なのですが
それがずっとだとかなり体にダメージが大きいらしいです。
発情すると卵巣が腫れるのですが
セキセイインコの小さな体で卵巣が腫れっぱなしになると
他の臓器を圧迫し、臓器不全になりやすいそうです。
また卵詰まりなどを起こしやすく
肺や胃、腸を圧迫し、呼吸や消化が苦しくなるそうです。
発情を促してしまう事にはいくつかあり
・室温が暖かいまま
・湿度が高いまま保たれる
・餌が常に食べられる
・甘やかす
などがあるそうです。
残念ながら我が家ではすべてそうしてしまっていました。
セキセイインコにとってストレスフリーな環境では
ホルモンの調整がうまくできずに発情過多に陥ってしまうそうです。
それを防ぐためには自然本来のストレスを与える
フォージングというのが良いそうです。
フォージングとは餌探し行動の事で
自然と同じように餌が簡単には手に入らない、
考えたり一手間加えないと餌が獲得できない状態を作ることで
発情している暇を与えないようにするらしいです。
「セキセイインコ フォージング」で検索すると
たくさん出てくるので興味のある方は見てみて下さい。
■AGY症(マクロラブタス症)
こちらの病気もキナ子は疑われました。
メガバクテリアという細菌による病気だそうです。
日本で飼われているほとんどのセキセイインコが
保菌しているらしく、発症すると胃腸が働かなくなり
痩せ細り、体力を失ってしまうそうで
こうなってしまうと治療は非常に難しいそうです。
しかし欧米では飼われる前の段階で便からAGY症の
感染を検査するそうで、
感染していれば発症前に抗真菌剤での治療が可能だそうです。
日本でも早いうちに動物病院で検査を行い
治療を行えば発症を防げるそうです。
是非まだ検査を受けられていないインコを
飼われている方がいらっしゃれば
検査をお勧めします。
キナ子も検査をしていればもしかしたら
という残念な思いが残ります。
■食事
キナ子のエサはホームセンターに売っている
高年齢のセキセイインコ向けというものでした。
基本的にこれだけあげていればいいかなと思ったのですが
ミネラル分が足りないかなと思い塩土も置いてありました。
ところが今回獣医師さんにキナ子に与えているエサをお見せした所、
成分表上は書かれているボレー粉が
ほとんど入っていないという指摘を受けました。
ボレー粉はカルシウムやミネラル分が入っている
牡蠣の殻の粉末だそうです。
でもミネラルなら塩土で…ともお話しましたが
残念なことに日本で通常売られている塩土は
塩分が過剰に含まれていて
逆にセキセイインコの臓器に負担をかけるそうです。
本来の塩土の「塩」はミネラル分を表すそうですが
日本では名前に合わせたのか
あえて塩分が加えられてしまっているそうです。
なので塩土では無く、ボレー粉や
それに変わるイカの甲(カトルボーン)を
与えるとよいそうです。
また我が家では家庭菜園のキャベツやブロッコリーを
たまに与えていましたがキャベツは逆に
栄養成分の排出を促してしまうらしくよくないそうです。
ブロッコリーはとてもよいので湯がいて与えるとよいとのことです。
ホームセンターの配合飼料にはドライフルーツや
ドライベジタブルも含まれていましたが、
ドライ加工されてしまうと鳥にとって必要な栄養素が
ほぼ無くなってしまうのであまり良くないそうです。
以前はキナ子にもイカの甲をあげていましたが、
塩土で代用するようになってしまい申し訳なかったです。
■セキセイインコの寿命
私達も何も調べずに育てて来たわけでは無く
本やインターネットで調べて良かれと思っていたのですが
今回獣医師さんの話しを聞いて正直驚きました。
一番驚いたのはセキセイインコの寿命で、
日本の飼い方の本などには5~8年程度と書かれているのに
獣医師さんはちゃんと管理されていれば20年と仰っていました。
私達は6歳半のキナ子はもう高齢の部類と思っていたのに
先生にお話したら「まだ若いのに」と言われて驚きました。
恐らく私達のようにAGYの検査をせず、
手に入りやすいエサで
人間に快適な環境で育ててしまうと
キナ子のように5~8年の寿命になってしまうのだと思います。
AGY症の検査を受けて治療をし、
しっかりとした栄養管理を行い、
フォージングなどで発情をちゃんとコントロール出来れば
本来の寿命を全う出来たかも知れません。
ソーラーちゃんもキナ子がいない事に気付いたみたいです。
キナ子が寝ている箱を指差して
「アッ!アッ!」と言って連れて行ってと言います。
キナ子は寝てるんだよ、お手手合わせようねと
私達が手を合わせると、
ソーラーちゃんもお手手を合わせてくれました。
ずっと一緒だったアン子も寂しそうです。
もう家に帰ってもけたたましい泣き声は聞こえませんが
キナ子のおかげで沢山の事を教えてもらえました。
先に土に還って星屑の元になって待っててね。
今までどうもありがとう。