研究と実践を並行してやる理由
おそらく僕は研究者としても実践者としても一流ではない。
でも,両方を行い,会社の骨格を作る仕事は僕にしかできない。
それは創業者だから。
創業者が残せるものは,理念と骨格だと考える。
理念は最上位に重要なものだがあまり議論の余地はない。
その反面,骨格についてはあまり話を聞いたことがない。
骨格はどういう形をしている会社なのか?だと思う。
やや抽象的だが,短期的には変わらない会社が行う仕事の骨組みのようなものだ。
うちでいえば,データ・科学・実践知を重んじた商品開発。
1.データはビジネスや社会の中で得る
2.科学は研究の中で得る
3.実践知は利用者との有機的な接点の中で得る
1と3は実践
2は研究
1しかないと薄っぺらい
2は実践がない(なくても問題はない。研究なのだから)
3しかないと小さい
1と3のどちらか,または両方を保有しているのが一般的なビジネスだと思う。
そこに2を追加するメリットは科学的知見を得ること。
深みが変わる,実践に科学が有機的に結合すると(業界)代表的な存在に変わる可能性がある。
その代わり,時間的・頭脳的難易度が高くなる。
この決断はかなり迷った。
自分の代だけでこの会社が終わるならば,1と3だけで充分であった。
でもかなり長期的に悩んだ末に,2を追加した。
この春で何回目の大学入学になるのかは忘れたが,大学院に入学し研究を行う。
大学院と関連する学会は1つ,関連しない学会は2つ。
今後は時間的な関係から2つの学会にしぼり研究活動をしながら実践と融合させていく。
多くの会社は経営者は実践,研究所の所員が研究と分担するだろう。
それは成熟した企業だからだ。
今のうちで,分担するとこの2つは結合しないだろう。
経営者である私はビジネスそのものや数字にしか興味がなくなってしまうことが予測できる。
経験を共有していない研究者が導き出した新しい科学に関心を持つかどうかは不明だ。
でも自分自身が研究を行っていれば,効率は最大化する。
この工程(研究→実践→研究)が会社に浸透すれば,私はどちらを手放しても大丈夫だと思う。
浸透後のうちは研究と実践を同時に行い,社会の役に立つサービスを生み出していくという骨格が備わっているからだ。
この段階に入れば私が両方をやる必要は無くなる。どちらも自分より上手くできる人を招聘すればいい。
すると自分では想像もできないくらい素晴らしいサービスが生み出される会社になるかもしれない。
それを夢見て,今の苦労を乗り越えよう。

