真の教育者?戸塚宏「戸塚ヨットスクール」の再評価 | ブロッコリーな日々

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アイドルマート下花店店長の落書き

真の教育者だった「戸塚宏」ヨットスクール代表。

戸塚宏は、暴力致死事件を起こしたとして世間を敵に回した。新聞は、一斉にネガティブキャンペーンを繰り広げたのだ。読者の皆さんは、この事件を覚えていますか。

一般児童・青少年向けのヨットスクール・戸塚ヨットスクールにおいて訓練生の死亡・傷害致死・行方不明といった事件が1980年代を通じてマスコミに取り上げられ、スクールの方針が教育的な体罰というより過酷な暴行だったことが司法判断によって確定した。

 

1.1979年から1982年にかけて、訓練中に訓練生の死亡・行方不明事件が複数発生。

2.1982年に起きた少年の死亡に関し、愛知県警察は当初は過ぎた体罰による事故と見ていたが、遺体から無数の打撲・内出血の痕跡・歯2本の損壊などが確認された。

警察は捜査の時期を窺っていたが、1983年の5月にスクール前の道路を走っていた暴走族に対して一部のコーチが暴行して逮捕されたのをきっかけに、傷害致死の疑いでスクール内の捜査が始まった。

 

その後、指導員が舵棒(ティラー)と呼ばれるヨットの艤装品(舵取りのための道具。一部では「角材」と報道された)で少年の全身を殴打し、その後ヨットでの訓練を続けていたことがわかり、組織ぐるみの犯行として6月には校長が、その後もコーチや元訓練生、そして支持者等の関係者が逮捕され、他の死亡事件についても起訴された。

 

ヨットスクールの主催者であり、暴力事件の責任者とされた「戸塚宏」は、一切不服を申し立てず求刑通りに服役したという。そして、彼を支援する会が立ち上げられたのである。その会長には「石原慎太郎」が就任した。この支援者の会には、日本の学校教育を憂えるそうそうたるメンバーが名前を連ねている。

 

やがて「戸塚ヨットスクール」をモデルにした実録映画が製作されている。事件発覚当初、ネガティブキャンペーンを張っていた新聞は次第に論調を変え、戸塚宏を擁護する動きに変わっていくのだ。

 

戸塚宏の著書「本能の力」(新潮新書)は一読に値する。あまり報じられていないが、戸塚宏は、名古屋大学工学部出身である。しかるに彼は、論理的、科学的な人だということが分かる。ただ殴り合いが好きなだけの半端な人ではない。