映画「AI崩壊」AIによるトリアージの憂鬱 | ブロッコリーな日々

ブロッコリーな日々

アイドルマート下花店店長の落書き

2030年の日本はAI(人工知能)の発達によって人々にとって身近な存在になっていた。

個人情報や健康状態がスマートウォッチという腕時計型のAI装置で管理され、一人一人のデータは医療施設HOPE社の地下13階のサーバールームに保管され、巨大な装置医療特化型AI「のぞみ」が管理していた。

 

医療特化型AIのぞみの開発者である主人公 桐生(大沢たかお)は、AIが多くの人の命を助けるためにこの装置を開発した。

彼は、その功績により総理大臣賞を手にする目前だった。

 

ところが、何者かがこの「のぞみ」をウイルスに感染させてしまう。おかげで医療Ai「のぞみ」が暴走する。

その結果、スマートウォッチで管理されている市民や内閣総理大臣の生命までも狙われる事態となった。

 

「のぞみ」を開発した桐生はテロリストとされ、糾弾されてしまうのだ。彼は、指名手配犯として警察に追われる羽目になった。

しかし「のぞみ」に感染させたウイルスの製作者が判明する。その目的は国民「トリアージ」であった。

 

この映画のテーマは「AI は人間を幸せにできるのか?」ということである。

映画に出てくる「のぞみ」は、何者かによって「人々の健康を守る」という目的を書き換えられてしまい、健康保険制度を崩壊させないために「個人の命を選別する」(トリアージする)という目的を与えられてしまうのだ。

10年後(2030年)の日本では、全ての国民の、年齢、家族構成、学歴、年収、犯罪歴、遺伝子情報、病歴、年金、納税額、健康状態を掌握したAI がトリアージを開始するのだ。

例えば、新型コロナウィルス変異型のパンデミックが東京で起こったとする。重症者を収容する ICU の病床数が約2000床。すでに1800床が埋まっていて、新規重症患者が1日に1000人出たとする。収容できる新規重症患者は200人のみ。

そうなると1000人のうち、生かすべき200人を選別しなければならなくなるのだ。残りの800人は見捨てられる。

国民の生命は、AI によって決定されるのだ。優生保護法という古色蒼然とした法律が蘇る。

では、あなたは生かされる側に果たして残れますか?

東京都の小池知事は、武漢で新型コロナウィルスのパンデミックが起こったとき何をしたかあなたは知っていましたか? 

彼女は、東京都が備蓄していた防護服2万着を武漢に送ったのだ。東京でもパンデミックが起こるかもしれないのに。

 

やれやれ、どこへ行く日本。

見逃した人には激しくおススメ。