2003年8月12日、テレビ番組の撮影現場でスポーツカーが見物人の人垣に突っ込み、
その結果、男女5人が重軽傷を負った。
車を急発進させるシーンでハンドル操作を誤りスピンし、コントロールが利かなくなり、
駐車中の車に衝突した後、見学席に突っ込んだという。
神妙な面持ちで謝罪したのは、誰あろう、大物俳優兼石原プロを束ねる企業経営者・渡哲也である。
彼が実行した謝罪は、あらゆるリーダーが模範とすべき、誠意溢れる見事なものであった。
渡哲也の謝罪会見は、およそ企業経営者は、こぞって参考にするべき完璧なものと云えた。
ここに、コメントを採録しておく。
「けがをされた方々、ご家族の方々に心より深くお詫び申し上げます」
「慎重に、安全とスタッフに伝えてきたが、どこかに気持ちの緩みがあったと反省しています」
渡哲也社長は、事故の翌日には病院まで出向いて、直接被害者に謝罪している。
会見後に、撮影再開を望む電話が、2000本掛かってきたという。
この会見のような誠実な謝罪は、企業犯罪の経営者の口からは、まずなかったと云ってもいい。
それだけに、余計に新鮮な印象を与えていたのである。