秋葉原にお目見えしたAKB48劇場。
オープンしたころは当然だが観客も少なかった。
店長は、その頃都内を営業していたこともあって、この秋葉原にはよく訪れていた。
秋葉原歩行者天国の賑わい
まだ、電気店の店頭に「白もの家電」が並んでいた。要するに、洗濯機や冷蔵庫が主流だったのだ。
現在では高層ビルが増え、景観がすかっり変わってしまった。もう電気店街ではなくなった。
当初街頭で呼び込みを行った。
当時、そのAKB48だが、まだ全国区のアイドルではなかった。
秋葉原のオタク文化のシンボル的な存在であった。この街は、山手線と総武線(記憶があいまいだが)クロスする微妙な位置にあり、渋谷、新宿、池袋などとは違う雰囲気を持っていた。
秋元康は、どうしてここに?という後の質問に、『秋葉原には”地熱”がある』と、答えている。
まだ、AKB48は”地下アイドル”に過ぎなかったのだ。店長は、AKB48が国民的アイドルになるとは思いもしなかった。地下の厚い地盤を秋葉原の地熱が溶かしてくれたのだろう。
彼女たちが、「モーニング娘。」を超えていこうとは夢にも思わなかった。
その「ガチャガチャ」の話だが、店長の友人は、「1日限定の劇場支配人の権利」を喉から手が出るほど欲しがった。彼は妙案を思いついた。カプセルの買い占めであった。さっそくトライしたのだ。あと少しで全部取り出すことができたが--小銭が無くなった。
それから数日して店長は劇場まで行って見た。驚いた。「ガチャガチャ」は劇場関係者に撤去されていたのだ。
--たぶん、同じことを試みたおバカがいたのだろう。。。