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人は波乱な人生を乗り越えて生きていくものだろう。だけど、今から話すような人生をあなたは聞いたことがありますか？


今日はアリスの20歳の誕生日。
外国に留学しに来て約5年半。
アリスの人生は生まれてから今まで波乱そのものだった。

波乱と言ってもとてつもなく残酷な人生だった訳ではない。裕福な家に生まれ、何一つ不自由はない生活だった。もっと言うならば、上級階級の生活と言ってもおかしくはなかった。

アリスの親は二人とも外国人だ。両親は二人とも台湾人。大学の時に日本に留学し、二人は出会って結婚した。日本にこれからも長く滞在するためには日本永住権が必要だったから申請した。しかし法務局の方が、
「申請した必要条件がとてもいいので日本国に帰化しないか？」
と、進めてきた。無論、親は最初断ったそうだ。それから、何度も進めてきたので日本国籍に帰化することを決めたらしい。この決断は簡単なことじゃなかっただろう。生まれた国の身分を捨てるんだもの。でも、両親は互いに支えあっていたから大丈夫だったらしい。

アリスはよ大体しか知らないが、親がまだ大学生の時、お金があまり無かったからお母さんがお父さんの分の学費も夜のバーのバイトで稼いでたらしい。バーと言ってもいかがわしいところではなく、バブル時代の上流階級のバーらしい。いろんな会社の社長、お偉いさん達が集まるところだそうだ。そのバーで知り合ったお偉いさん方からいろんな話を聞いていろんなことをたくさん学んだらしい。バーで働いててそこの社長さんにも一時期なったらしい。

この話を聞いたのはアリスが幼稚園ぐらいのころだ。もちろん幼稚園児のアリスにとってはあまり興味がある話ではなかったが、お母さんが昔社長だったことが嬉しくて友達の親に自慢していた。だけど、一つだけ他人には言いたくない事があった。それはお母さんが結婚当時、子供が欲しくなかったことだ。

TO BE CONTINUED...